論点司法書士法 - 簡裁訴訟代理等関係業務を行うための要件
⚠ ひっかけパターン:除外規定・例外の無視(要件の一部の省略)
- ① どこが間違いか
- 認定を受ければ足り、研修の課程の修了は不要とした点
- ② なぜ間違いか(根拠)
- 司法書士法3条2項は、簡裁訴訟代理等関係業務を行うことができる司法書士を、①法務大臣が指定する研修の課程を修了した者であること(1号)、②その者の申請に基づき法務大臣が必要な能力を有すると認定した者であること(2号)、③司法書士会の会員であること(3号)の、いずれにも該当する者に限っている。認定は研修修了者の申請に基づくものであり、研修の修了は認定の前提となる独立の要件である。したがって、研修を修了せずに認定のみで足りるとする本問は誤りである。
- ③ 正しい記述
- 司法書士が簡裁訴訟代理等関係業務を行うには、法務大臣が指定する研修の課程を修了し、簡裁訴訟代理等関係業務を行うのに必要な能力を有する旨の法務大臣の認定を受けることを要する。
- ④ なぜそのルール?(立法趣旨)
- 簡裁訴訟代理等関係業務は、紛争性のある事件で依頼者の権利に直接影響するため、一定の研修による知識の習得と、その成果を確認する認定を段階的に課し、業務の質を担保する必要があるという理由から、これらが累積的な要件とされている。
- ⑤ 覚え方・記憶のコツ
- 【研修→認定→会員、3つすべて】研修を受けて認定の申請をするという順序で覚える。対比として、司法書士法人の場合は、認定を受けた社員が業務を行うのであり、使用人の認定では足りない(司法書士法29条)。個人と法人で混同しないこと。
- ⑥ 本試験ではここも問われる(関連論点)
- 簡裁訴訟代理等関係業務は、司法書士会の会員でなければ行うことができない。
- 司法書士法人が簡裁訴訟代理等関係業務を行う場合、これを担当するのは認定を受けた社員である。
- 簡裁訴訟代理等関係業務のうち、訴訟代理ができる事件は、紛争の目的の価額が140万円を超えないものに限られる。
- 正しいルール
- 簡裁訴訟代理等関係業務を行うことができるのは、指定研修の課程を修了し、法務大臣の認定を受け、かつ司法書士会の会員である司法書士に限られる。
- 根拠条文
- 司法書士法3条2項
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(業務)
司法書士は、この法律の定めるところにより、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。
一 登記又は供託に関する手続について代理すること。
二 法務局又は地方法務局に提出し、又は提供する書類又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第4号において同じ。)(…)を作成すること。ただし、同号に掲げる事務を除く。
三 法務局又は地方法務局の長に対する登記又は供託に関する審査請求の手続について代理すること。
四 裁判所若しくは検察庁に提出する書類若しくは電磁的記録又は筆界特定の手続(不動産登記法(平成16年法律第123号)第6章第2節の規定による筆界特定の手続又は筆界特定の申請の却下に関する審査請求の手続をいう。第8号において同じ。)(…)において法務局若しくは地方法務局に提出し若しくは提供する書類若しくは電磁的記録を作成すること。
五 前各号の事務について相談に応ずること。
六 簡易裁判所における次に掲げる手続について代理すること。ただし、上訴の提起(自ら代理人として手続に関与している事件の判決、決定又は命令に係るものを除く。)(…)、再審及び強制執行に関する事項(ホに掲げる手続を除く。)(…)については、代理することができない。
七 民事に関する紛争(簡易裁判所における民事訴訟法の規定による訴訟手続の対象となるものに限る。)(…)であつて紛争の目的の価額が裁判所法第33条第1項第1号に定める額を超えないものについて、相談に応じ、又は仲裁事件の手続若しくは裁判外の和解について代理すること。
八 筆界特定の手続であつて対象土地(不動産登記法第123条第3号に規定する対象土地をいう。)(…)の価額として法務省令で定める方法により算定される額の合計額の2分の1に相当する額に筆界特定によつて通常得られることとなる利益の割合として法務省令で定める割合を乗じて得た額が裁判所法第33条第1項第1号に定める額を超えないものについて、相談に応じ、又は代理すること。
2 前項第6号から第8号までに規定する業務(以下「簡裁訴訟代理等関係業務」という。)(…)は、次のいずれにも該当する司法書士に限り、行うことができる。
一 簡裁訴訟代理等関係業務について法務省令で定める法人が実施する研修であつて法務大臣が指定するものの課程を修了した者であること。
二 前号に規定する者の申請に基づき法務大臣が簡裁訴訟代理等関係業務を行うのに必要な能力を有すると認定した者であること。
三 司法書士会の会員であること。
3 法務大臣は、次のいずれにも該当するものと認められる研修についてのみ前項第1号の指定をするものとする。
一 研修の内容が、簡裁訴訟代理等関係業務を行うのに必要な能力の習得に十分なものとして法務省令で定める基準を満たすものであること。
二 研修の実施に関する計画が、その適正かつ確実な実施のために適切なものであること。
三 研修を実施する法人が、前号の計画を適正かつ確実に遂行するに足りる専門的能力及び経理的基礎を有するものであること。
4 法務大臣は、第2項第1号の研修の適正かつ確実な実施を確保するために必要な限度において、当該研修を実施する法人に対し、当該研修に関して、必要な報告若しくは資料の提出を求め、又は必要な命令をすることができる。
5 司法書士は、第2項第2号の規定による認定を受けようとするときは、政令で定めるところにより、手数料を納めなければならない。
6 第2項に規定する司法書士は、民事訴訟法第54条第1項本文(民事保全法第7条又は民事執行法第20条において準用する場合を含む。)(…)の規定にかかわらず、第1項第6号イからハまで又はホに掲げる手続における訴訟代理人又は代理人となることができる。
7 第2項に規定する司法書士であつて第1項第6号イ及びロに掲げる手続において訴訟代理人になつたものは、民事訴訟法第55条第1項の規定にかかわらず、委任を受けた事件について、強制執行に関する訴訟行為をすることができない。ただし、第2項に規定する司法書士であつて第1項第6号イに掲げる手続のうち少額訴訟の手続において訴訟代理人になつたものが同号ホに掲げる手続についてする訴訟行為については、この限りでない。
8 司法書士は、第1項に規定する業務であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、これを行うことができない。
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令和9年(2027年)4月1日施行の法令を参考にしています。