⚠ ひっかけパターン:単独申請・共同申請の混同(単独申請→共同申請)
- ① どこが間違いか
- 仮登記に基づく本登記は単独申請であり、A(登記義務者)と共同して申請しなければならないわけではない。第三者の承諾がある場合にBが単独で申請することができる。
- ② なぜ間違いか(根拠)
- 不動産登記法107条1項は、仮登記の本登記は「仮登記の登記名義人が単独で申請することができる」と定めており、通常の所有権移転登記(不動産登記法60条の共同申請)とは異なる。また、不動産登記法109条1項は、所有権に関する仮登記に基づく本登記を申請するには、登記上の利害関係を有する第三者がある場合は当該第三者の承諾があるときに限り申請することができると定めており、共同申請への切り替えを求めるものではない。本問の問題点は「共同申請」という部分であり、正しくはBの単独申請である。
- ③ 正しい記述
- AがBに甲土地を売却したが、その所有権の移転の登記の代わりに所有権の移転の仮登記をした後、Bが甲土地の所有権の移転の仮登記に基づく本登記を申請する場合において、登記上の利害関係を有する第三者があるときは、Bは当該第三者の承諾を証する情報を提供することを要し、その承諾があるときに限り、単独でその本登記を申請することができる。
- ④ なぜそのルール?(立法趣旨)
- 仮登記に基づく本登記の本来の申請権者は仮登記名義人(権利者)であり、仮登記を得た時点で登記義務者の協力は実質的に確保されている。しかし、仮登記後に甲土地の仮登記後順位で担保権の設定等を受けた第三者は、本登記によって登記を抹消されるという不利益を受けるため、その者の承諾を申請の要件とすることで利害関係人を手続的に保護している。承諾がある場合に限り単独申請を認めることで、登記の迅速性と第三者保護を調和させている。
- ⑤ 覚え方・記憶のコツ
- 【仮登記の本登記=単独申請】仮登記の申請(不動産登記法107条)も本登記への格上げ申請(不動産登記法107条1項)も「仮登記名義人の単独申請」と一貫して覚える。通常の所有権移転(売買など)の本登記が「権利者+義務者の共同申請」であることと対比して、「仮登記→本登記のルートは単独でOK、ただし利害関係第三者の承諾が必要」と整理すると混同しにくい。
- 正しいルール
- 所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り申請することができ、承諾を証する情報を提供しなければならない
- 根拠条文
- 不動産登記法109条1項
不動産登記法109条の条文を見るe-Gov法令API取得
(仮登記に基づく本登記)
所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者(本登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。
2 登記官は、前項の規定による申請に基づいて登記をするときは、職権で、同項の第三者の権利に関する登記を抹消しなければならない。
登記申請例を見る(記述対策)
| 登記の目的 | 所有権移転(仮登記に基づく本登記) |
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| 登記原因及びその日付 | 令和〇年〇月〇日 売買 |
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| 申請人の氏名又は名称(権利者) | B |
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| 申請人の氏名又は名称(義務者) | (単独申請のため義務者欄なし) |
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| 添付情報 | 登記原因証明情報 登記識別情報(Aの仮登記時のもの) 代理権限証明情報 登記上の利害関係を有する第三者Cの承諾を証する情報(印鑑証明書付き) |
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| 登録免許税額 | 不動産の価額の1000分の20(所有権移転・売買) |
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| 特記事項 | 仮登記に基づく本登記はBの単独申請(不動産登記法107条1項)。登記上の利害関係を有する第三者の承諾を証する情報の提供が申請の要件となる(不動産登記法109条1項)。本登記は主登記によってされ、利害関係第三者の登記は職権で抹消される(不動産登記法109条2項)。 |
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令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。