⚠ ひっかけパターン:効果・結論の逆転(自招危難における緊急避難の成否)
- ① どこが間違いか
- 自ら危難を招いた場合(自招危難)には、原則として緊急避難の成立が否定される。危難が現在のものであってもこの結論は変わらない。
- ② なぜ間違いか
- 刑法37条1項は、自己又は他人の生命・身体・自由・財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為について緊急避難の成立を認めている。しかし、判例・通説は、行為者が自ら招いた危難(自招危難)については、「やむを得ずにした行為」という要件を充足しないとして、原則として緊急避難の成立を否定している。これは正当防衛における自招侵害と同様の考え方であり、自ら危難の原因を作った者が緊急避難を主張して他人に損害を転嫁することは、法秩序全体の見地から許容されないとされるためである。したがって、本問のように自ら危難を招いた場合に緊急避難が成立するとする記述は誤りである。
- ③ 正しい記述
- Aが自らの行為によって危難を招いた場合(自招危難)には、その危難が現在のものであっても、原則として緊急避難は成立しない。
- 正しいルール
- 緊急避難は、自己又は他人の生命・身体・自由・財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為であることが必要であり、自ら危難を招いた場合(自招危難)には原則として緊急避難の成立が否定される
- 根拠条文
- 刑法37条1項
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(緊急避難)
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
2 前項の規定は、業務上特別の義務がある者には、適用しない。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。