⚠ ひっかけパターン:承諾の要否の逆転(民事訴訟法の訴えの取下げとの混同)
- ① どこが間違いか
- 保全異議の申立て後であっても、保全命令の申立ての取下げに債務者の同意は不要である。
- ② なぜ間違いか(根拠)
- 民事保全法18条は、保全命令の申立てを取り下げるには、保全異議又は保全取消しの申立てがあった後においても、債務者の同意を得ることを要しないと定めている。本案訴訟では、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続で申述し、又は口頭弁論をした後は相手方の同意が必要となる(民事訴訟法261条2項)が、保全手続ではこの規定は適用されない。したがって、保全異議の申立て後でも債権者は単独で取り下げることができる。
- ③ 正しい記述
- 債権者が保全命令の申立てを取り下げる場合において、保全異議の申立てがあった後であっても、債務者の同意を得ることを要しない。
- ④ なぜそのルール?(立法趣旨)
- 保全手続は債権者の権利保全を目的とする暫定的・迅速な手続であり、債務者には本案判決を得る利益がない。取下げによって保全命令の効力が失われても債務者に不利益はないため、債務者の同意を要求する必要がないという理由から、同意不要と定められている。
- ⑤ 覚え方・記憶のコツ
- 【保全は取下げ自由】本案訴訟の取下げ(相手方が応訴した後は同意が必要・民事訴訟法261条2項)と対比する。訴訟は相手方に勝訴判決を得る利益があるから同意が必要で、保全は債務者に判決を得る利益がないから不要。
- ⑥ 本試験ではここも問われる(関連論点)
- 保全命令は、当事者に送達しなければならず、債権者にも送達される。
- 保全異議の申立てがあった場合における保全執行の停止を命ずる裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
- 占有移転禁止の仮処分命令を発するには、口頭弁論又は債務者が立ち会うことができる審尋の期日を経ることを要しない。
- 正しいルール
- 保全命令の申立てを取り下げるには、保全異議又は保全取消しの申立てがあった後においても、債務者の同意を得ることを要しない。
- 根拠条文
- 民事保全法18条
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(保全命令の申立ての取下げ)
保全命令の申立てを取り下げるには、保全異議又は保全取消しの申立てがあった後においても、債務者の同意を得ることを要しない。
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令和9年(2027年)4月1日施行の法令を参考にしています。