司法書士ひっかけ選択肢トレーニング

2026年06月07日 06:56 民事訴訟法 - 訴訟上の和解の効力

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問1 民事訴訟法 - 訴訟上の和解の効力

次の選択肢は誤りです。
どこが・なぜ間違いか考えてください。

訴訟上の和解が成立したときは、確定判決と同一の効力を有するから、当該和解の内容について既判力が生じ、当事者は後訴においてその和解の内容と矛盾する主張をすることができない。
⚠ ひっかけパターン:効果・結論の逆転(既判力が生じない→既判力が生じる)
訴え提起 応訴 和解成立(執行力○・既判力×) 後訴で和解無効を主張可 原告A 被告B 裁判所(前訴) 裁判所(後訴)
① どこが間違いか
訴訟上の和解には確定判決と同一の効力が認められるものの、既判力は生じないとするのが判例の立場であり、当事者は後訴において和解の無効・取消しを主張することができる
② なぜ間違いか(根拠)
民事訴訟法267条は、訴訟上の和解が成立したときは「確定判決と同一の効力を有する」と定めている。しかし、最高裁判例(最判昭和33年6月14日)は、訴訟上の和解には既判力は生じないとしている。「確定判決と同一の効力」とは主に執行力(債務名義となること)と訴訟終了効を指し、既判力までは含まれないと解されている。したがって、当事者は後訴において訴訟上の和解の無効・取消しを主張することができ、和解の内容と矛盾する主張も遮断されない。
③ 正しい記述
訴訟上の和解が成立したときは、確定判決と同一の効力を有するが、訴訟上の和解には既判力は生じないとするのが判例の立場であり、当事者は後訴において当該和解の無効・取消しを主張することができる。
④ なぜそのルール?(立法趣旨)
訴訟上の和解は当事者の合意(私法行為)を基礎とするため、意思の瑕疵(錯誤・詐欺など)があれば民法上の取消し・無効の主張が可能な余地を残す必要がある。もし確定判決と同様に既判力が生じるとすると、和解に錯誤があっても後訴でその無効を争えなくなり、当事者に酷な結果となる。そこで、執行力は認めつつも既判力は生じないと解することで、当事者の権利救済の途を確保するという政策的判断がある。
⑤ 覚え方・記憶のコツ
【和解は「確定判決と同一の効力」≠「既判力あり」】「同一の効力」という文言から反射的に「既判力もある」と誤解しやすい最大の罠。「和解=合意=当事者の意思が基礎→意思の瑕疵で争える→既判力なし」と、和解の本質(私的合意)から導くと覚えやすい。確定判決との対比で「執行力○・既判力×」と整理すること。
正しいルール
訴訟上の和解が成立したときは確定判決と同一の効力を有するが、既判力は生じないとするのが判例の立場である
根拠条文
民事訴訟法267条
民事訴訟法267条の条文を見るe-Gov法令API取得

(和解等に係る電子調書の効力) 裁判所書記官が、和解又は請求の放棄若しくは認諾について電子調書を作成し、これをファイルに記録したときは、その記録は、確定判決と同一の効力を有する。 2 前項の規定によりファイルに記録された電子調書は、当事者に送達しなければならない。この場合においては、第二百五十五条第二項の規定を準用する。

令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。

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