⚠ ひっかけパターン:主体の入れ替え(債権者の住所地→債務者の住所地)
債務者A(供託者)債権者B供託所(Bの住所地を管轄) - 1
- 2
- 3
- ① どこが間違いか
- 供託をすべき供託所は「債務履行地」を管轄する供託所であり、金銭債務のような持参債務においてはこれは原則として債権者(B)の現在の住所地であって、供託者である債務者(A)の住所地ではない
- ② なぜ間違いか(根拠)
- 民法495条1項は「弁済の供託は、債務の履行地の供託所にしなければならない」と定めている。そして、金銭債務のように特定物の引渡し以外の債務は持参債務が原則であり、民法484条1項により債権者の現在の住所地が履行地となる。したがって、本問のAのBに対する貸金債務の弁済供託は、Aの住所地ではなく、債権者Bの現在の住所地を管轄する供託所にしなければならない。
- ③ 正しい記述
- AがBに対して負う金銭消費貸借契約に基づく貸金債務について、Bがその受領を拒んだためAが弁済供託をする場合には、原則として債権者Bの現在の住所地を管轄する供託所にその供託をしなければならない。
- ④ なぜそのルール?(立法趣旨)
- 供託は本来の弁済に代わる制度であることから、弁済をすべき場所(履行地)と同一の場所で行わせることで、弁済の場所的公平を保つ趣旨に基づく。仮に債務者の住所地など履行地以外の供託所への供託を認めてしまうと、債権者が還付請求をする際の負担が本来の弁済よりも重くなり、債権者保護に欠けることになるため、履行地を管轄する供託所に限定されている。
- ⑤ 覚え方・記憶のコツ
- 「供託は弁済のかわり、だから場所も弁済と同じ(履行地)」と覚える。金銭債務は持参債務の原則(民法484条)により債権者の住所地が履行地となる点とセットで押さえる。特定物の引渡し債務の場合は、契約成立時にその物が存在した場所が履行地となる点で区別すること。
- ⑥ 本試験ではここも問われる(関連論点)
- 供託の目的物が特定物の引渡しである場合、履行地は原則としてその特定物が契約成立時に存在した場所となる。
- 管轄違いの供託所にされた供託は無効であり、供託官が誤ってこれを受理した場合であっても債務消滅の効力は生じない。
- 供託物の還付請求権を行使する債権者も、当該弁済供託がされた管轄供託所に対して還付請求をしなければならない。
- 正しいルール
- 弁済供託は債務履行地の供託所にしなければならず、金銭債務(持参債務)の履行地は原則として債権者の現在の住所地である
- 根拠条文
- 民法495条1項、民法484条1項
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(供託の方法)
前条の規定による供託は、債務の履行地の供託所にしなければならない。
2 供託所について法令に特別の定めがない場合には、裁判所は、弁済者の請求により、供託所の指定及び供託物の保管者の選任をしなければならない。
3 前条の規定により供託をした者は、遅滞なく、債権者に供託の通知をしなければならない。
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(弁済の場所及び時間)
弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない。
2 法令又は慣習により取引時間の定めがあるときは、その取引時間内に限り、弁済をし、又は弁済の請求をすることができる。
令和9年(2027年)4月1日施行の法令を参考にしています。