論点商業登記法 - 設立の登記(発起設立における設立時代表取締役の選定に関する書面)
⚠ ひっかけパターン:添付情報の要否の逆転(必要な書面を不要とした)
- 1
- 2
- 3
設立中の甲株式会社→法務局
選定に関する書面の添付が必要
- ① どこが間違いか
- 設立時代表取締役の選定に関する書面の添付を不要とした点
- ② なぜ間違いか(根拠)
- 商業登記法47条2項7号は、設立時取締役が設立時代表取締役を選定したときは、これに関する書面を設立の登記の申請書に添付しなければならないと定めている。設立時代表取締役は登記事項であり、その選定が適法に行われたことを登記官が審査する必要があるため、選定を証する書面(設立時取締役の過半数の一致があったことを証する書面)の添付を省略することはできない。なお、定款で設立時代表取締役を定めている場合は定款により選定が明らかとなるが、本問は設立時取締役が選定した場合である。
- ③ 正しい記述
- 発起設立の方法により取締役会設置会社を設立する場合において、設立時取締役が設立時代表取締役を選定したときは、設立の登記の申請書に、設立時代表取締役の選定に関する書面を添付しなければならない。
- ④ なぜそのルール?(立法趣旨)
- 設立時代表取締役は設立登記の登記事項であり、その選定の適法性を書面で確認する必要があるため、選定を証する書面の添付が要求されている。
- ⑤ 覚え方・記憶のコツ
- 【選んだら証明】設立時代表取締役を設立時取締役が選定した場合は、選定書面を添付する。対比として、設立時取締役の選任(発起設立)は発起人の議決権の過半数の決定で足り、発起人全員の同意までは要しない。また、設立時代表取締役の就任承諾書も別途必要となる(商業登記法47条2項10号)。
- ⑥ 本試験ではここも問われる(関連論点)
- 設立時代表取締役の就任承諾を証する書面は、設立の登記の申請書に添付しなければならない。
- 発起設立で定款に設立時取締役の定めがないときは、設立時取締役は発起人の議決権の過半数による決定で選任される。
- 募集設立では、設立時取締役の選任は創立総会の決議によってされ、その議事録を添付しなければならない。
- 正しいルール
- 設立時取締役が設立時代表取締役を選定したときは、設立の登記の申請書に、これに関する書面(選定を証する書面)を添付しなければならない。
- 根拠条文
- 商業登記法47条2項7号、会社法47条1項、会社法47条3項、会社法38条
商業登記法47条の条文を見るe-Gov法令API取得
(設立の登記)
設立の登記は、会社を代表すべき者の申請によつてする。
2 設立の登記の申請書には、法令に別段の定めがある場合を除き、次の書面を添付しなければならない。
一 定款
二 会社法第57条第1項の募集をしたときは、同法第58条第1項に規定する設立時募集株式の引受けの申込み又は同法第61条の契約を証する書面
三 定款に会社法第28条各号に掲げる事項についての記載又は記録があるときは、次に掲げる書面
四 検査役の報告に関する裁判があつたときは、その謄本
五 会社法第34条第1項の規定による払込みがあつたことを証する書面(同法第57条第1項の募集をした場合にあつては、同法第64条第1項の金銭の保管に関する証明書)(…)
六 株主名簿管理人を置いたときは、その者との契約を証する書面
七 設立時取締役が設立時代表取締役を選定したときは、これに関する書面
八 設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社であるときは、設立時執行役の選任並びに設立時委員及び設立時代表執行役の選定に関する書面
九 創立総会及び種類創立総会の議事録
十 会社法の規定により選任され又は選定された設立時取締役、設立時監査役及び設立時代表取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあつては設立時監査等委員である設立時取締役及びそれ以外の設立時取締役並びに設立時代表取締役、設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合にあつては設立時取締役、設立時委員、設立時執行役及び設立時代表執行役)(…)が就任を承諾したことを証する書面
十一 設立時会計参与又は設立時会計監査人を選任したときは、次に掲げる書面
十二 会社法第373条第1項の規定による特別取締役(同項に規定する特別取締役をいう。以下同じ。)(…)による議決の定めがあるときは、特別取締役の選定及びその選定された者が就任を承諾したことを証する書面
3 登記すべき事項につき発起人全員の同意又はある発起人の一致を要するときは、前項の登記の申請書にその同意又は一致があつたことを証する書面を添付しなければならない。
4 会社法第82条第1項(同法第86条において準用する場合を含む。)(…)の規定により創立総会又は種類創立総会の決議があつたものとみなされる場合には、第2項の登記の申請書に、同項第9号の議事録に代えて、当該場合に該当することを証する書面を添付しなければならない。
🔗 条文ランダム表示アプリで商業登記法47条を開く
会社法47条の条文を見るe-Gov法令API取得
(設立時代表取締役の選定等)
設立時取締役は、設立しようとする株式会社が取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)(…)である場合には、設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役を除く。)(…)の中から株式会社の設立に際して代表取締役(株式会社を代表する取締役をいう。以下同じ。)(…)となる者(以下「設立時代表取締役」という。)(…)を選定しなければならない。
2 設立時取締役は、株式会社の成立の時までの間、設立時代表取締役を解職することができる。
3 前2項の規定による設立時代表取締役の選定及び解職は、設立時取締役の過半数をもって決定する。
🔗 条文ランダム表示アプリで会社法47条を開く
会社法38条の条文を見るe-Gov法令API取得
(設立時役員等の選任)
発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役(株式会社の設立に際して取締役となる者をいう。以下同じ。)(…)を選任しなければならない。
2 設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合には、前項の規定による設立時取締役の選任は、設立時監査等委員(株式会社の設立に際して監査等委員(監査等委員会の委員をいう。以下同じ。)となる者をいう。以下同じ。)(…)である設立時取締役とそれ以外の設立時取締役とを区別してしなければならない。
3 次の各号に掲げる場合には、発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、当該各号に定める者を選任しなければならない。
一 設立しようとする株式会社が会計参与設置会社である場合設立時会計参与(株式会社の設立に際して会計参与となる者をいう。以下同じ。)(…)
二 設立しようとする株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)(…)である場合設立時監査役(株式会社の設立に際して監査役となる者をいう。以下同じ。)(…)
三 設立しようとする株式会社が会計監査人設置会社である場合設立時会計監査人(株式会社の設立に際して会計監査人となる者をいう。以下同じ。)(…)
4 定款で設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この項において同じ。)(…)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人として定められた者は、出資の履行が完了した時に、それぞれ設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人に選任されたものとみなす。
🔗 条文ランダム表示アプリで会社法38条を開く
登記申請例を見る(記述対策)
| 登記の事由 | 株式会社設立 |
|---|
| 登記すべき事項 | 令和〇年〇月〇日設立時代表取締役A選定(設立時取締役の選定による) |
|---|
| 申請人 | 甲株式会社 |
|---|
| 添付書面 | 定款 1通 発起人の同意書 1通 設立時取締役の就任承諾書 1通 設立時代表取締役の選定に関する書面 1通 払込みを証する書面 1通 |
|---|
| 登録免許税額 | 資本金の額の1000分の7(最低15万円) |
|---|
| 特記事項 | 設立時代表取締役の就任承諾書も添付する |
|---|
令和9年(2027年)4月1日施行の法令を参考にしています。