⚠ ひっかけパターン:効果・結論の逆転(横領罪→背任罪)
委託者B(金銭の所有者)受託者A(金銭の占有者)横領行為(費消) - 1
- 2
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- ① どこが間違いか
- 自己の占有する他人の物を自己のために費消した場合には背任罪ではなく横領罪が成立する。背任罪は他人のためにその事務を処理する者が財産上の損害を加えた場合に成立するが、自己が占有する他人の物を不法に領得した行為は横領罪として処罰される
- ② なぜ間違いか(根拠)
- 刑法252条1項は、自己の占有する他人の物を横領した者に横領罪(5年以下の拘禁刑)が成立すると定めている。本問においてAはBから金銭の保管を委託されてその占有を取得しており、当該金銭は「自己の占有する他人の物」に該当する。これを自己のために費消することは不法領得意思の発現であり、横領罪が成立する。一方、刑法247条の背任罪は「他人のためにその事務を処理する者」が任務に背いて財産上の損害を加えた場合に成立するが、横領罪と背任罪は法条競合の関係にあり、自己が占有する他人の物を領得した行為には横領罪が優先して適用される。背任罪が単独で成立するわけではない。
- ③ 正しい記述
- AはBから金銭の保管を委託されてその占有を取得したが、当該金銭を自己のために費消した。この場合、Aには横領罪(刑法252条1項)が成立する。背任罪と横領罪は法条競合の関係にあり、自己の占有する他人の物を領得した行為には横領罪が優先して適用されるため、背任罪が単独で成立するわけではない。
- ④ なぜそのルール?(立法趣旨)
- 横領罪は「占有者による領得行為」を直接規制するものであり、委託物横領(刑法252条)は「物の占有」を前提とした財産犯として背任罪より特別な関係に立つ。背任罪は「事務処理の任務違背」という委託信任関係の侵害を捉える広い規定であるが、占有する物の領得行為という具体的・典型的な場面では横領罪の方が構成要件上より具体的・特別的であるため、刑事実体法上は横領罪が優先して適用されるとされている。これにより、財産犯の類型ごとの法定刑の差異(横領罪は5年以下、背任罪も5年以下だが趣旨が異なる)が適切に機能するよう設計されている。
- ⑤ 覚え方・記憶のコツ
- 【「占有あり=横領」「占有なし=背任」の基本対比で整理する】自分が物を「持っている(占有している)」のにそれを着服したら横領罪、物を持っていないが任務に背いて財産上の損害を与えたら背任罪、と覚える。委託された金銭・物品の費消は「占有あり」のケースなので横領罪が先に来る。「背任→横領の関係は、一般→特別の関係」とセットで記憶すると確実。
- 正しいルール
- 自己の占有する他人の物を横領した場合には横領罪が成立し、背任罪は成立しない。横領罪と背任罪は法条競合の関係にあり、横領罪が優先して適用される
- 根拠条文
- 刑法252条1項、刑法247条
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(横領)
自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
2 自己の物であっても、公務所から保管を命ぜられた場合において、これを横領した者も、前項と同様とする。
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(背任)
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。