⚠ ひっかけパターン:効果・結論の逆転(口頭の提供で足りる場合を「現実の提供が必要」と逆転)
- ① どこが間違いか
- 債権者があらかじめ受領を拒絶している場合は、口頭の提供で足り、現実の提供は不要である。口頭の提供すら不要とする見解もあるが、少なくとも現実の提供は必要とされない。
- ② なぜ間違いか
- 民法493条は、弁済の提供は現実の提供によることが原則であるが、債権者があらかじめその受領を拒絶している場合には、弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足りる(口頭の提供)と定めている。そして、民法494条1項1号は、弁済の提供をしたにもかかわらず債権者が受領を拒絶したときに弁済供託ができると規定している。債権者があらかじめ受領を拒絶している場合は口頭の提供で弁済の提供として有効であるから、口頭の提供をした上で受領を拒絶された場合には受領拒絶を原因とする弁済供託をすることができる。現実の提供が必要とする問題文の記述は誤りである。
- ③ 正しい記述
- 債権者があらかじめ弁済の受領を拒絶している場合において、債務者が弁済供託をするには、口頭の提供をすれば足り、現実の提供をすることは必要でない。口頭の提供をした上で受領を拒絶されたときは、受領拒絶を原因とする弁済供託をすることができる。
- 正しいルール
- 債権者が弁済の受領を拒絶したことを原因として弁済供託をするには、原則として現実の提供をしたにもかかわらず受領を拒絶されたことが必要であるが、債権者があらかじめ受領を拒絶している場合は口頭の提供で足りる
- 根拠条文
- 民法494条1項1号、民法493条
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(供託)
弁済者は、次に掲げる場合には、債権者のために弁済の目的物を供託することができる。この場合においては、弁済者が供託をした時に、その債権は、消滅する。
一 弁済の提供をした場合において、債権者がその受領を拒んだとき。
二 債権者が弁済を受領することができないとき。
2 弁済者が債権者を確知することができないときも、前項と同様とする。ただし、弁済者に過失があるときは、この限りでない。
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(弁済の提供の方法)
弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない。ただし、債権者があらかじめその受領を拒み、又は債務の履行について債権者の行為を要するときは、弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足りる。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。