⚠ ひっかけパターン:主体の入れ替え(悪意の占有者→善意の占有者)
- ① どこが間違いか
- 有益費の償還につき裁判所が期限を許与することができるのは、占有者が悪意の場合であり、善意の占有者の場合ではない
- ② なぜ間違いか
- 民法196条2項は、占有者が占有物について有益費を支出した場合、回復者はその価格の増加が現存する場合に限り、占有者の選択に従い支出額または増価額を償還しなければならないと定めつつ、ただし書において「悪意の占有者」に対しては裁判所が回復者の請求により相当の期限を許与することができると規定している。したがって、裁判所による期限の許与が認められるのは占有者が悪意の場合であり、善意の占有者に対してはこの期限許与の制度は適用されない。
- ③ 正しい記述
- Aが所有する甲土地をBが占有している場合において、Bが甲土地について有益費を支出したときは、Aは、Bが悪意の占有者であれば、裁判所に請求して有益費の償還につき相当の期限の許与を受けることができる。
- 正しいルール
- 占有者が占有物について有益費を支出した場合、回復者は占有者の選択に従い支出額または増加額を償還しなければならないが、悪意の占有者に対しては裁判所が回復者の請求により相当の期限を許与することができる
- 根拠条文
- 民法196条
民法196条の条文を見るe-Gov法令API取得
(占有者による費用の償還請求)
占有者が占有物を返還する場合には、その物の保存のために支出した金額その他の必要費を回復者から償還させることができる。ただし、占有者が果実を取得したときは、通常の必要費は、占有者の負担に帰する。
2 占有者が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費については、その価格の増加が現存する場合に限り、回復者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。ただし、悪意の占有者に対しては、裁判所は、回復者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。