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2026年06月02日 06:56 民事保全法 - 仮処分命令における占有移転禁止の仮処分の効力

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問1 民事保全法 - 仮処分命令における占有移転禁止の仮処分の効力

次の選択肢は誤りです。
どこが・なぜ間違いか考えてください。

AがBに対して甲建物の明渡しを求める訴えを提起しようとする場合において、Aが申し立てた甲建物に関する占有移転禁止の仮処分命令が執行された後に、BがCに甲建物の占有を移転したときは、Aは、Cに対して当該仮処分命令を債務名義として強制執行をすることができない。
⚠ ひっかけパターン:効果・結論の逆転(強制執行できる→できない)
占有移転禁止仮処分の申立て 仮処分命令の執行 執行後に占有移転 仮処分命令を債務名義として強制執行可 債権者A(明渡請求権者) 裁判所(仮処分命令) 債務者B(占有者) 承継人C(執行後の占有取得者)
① どこが間違いか
占有移転禁止の仮処分命令の執行後に債務者から占有を承継したCに対しては、債権者Aは当該仮処分命令を債務名義として強制執行をすることができる。「できない」としている点が誤り。
② なぜ間違いか(根拠)
民事保全法62条1項は、占有移転禁止の仮処分命令の執行後にその執行がされた物の占有を取得した者に対しては、債権者は、本案の債務名義に基づく強制執行を当該仮処分命令に係る債務者に対してする場合のほか、当該占有を取得した者を債務者として強制執行をすることができると定めている。さらに、民事保全法25条の2第1項は、係争物に関する仮処分命令の執行後に係争物の占有を承継した者に対しては、その仮処分命令を債務名義として強制執行をすることができると定めている。したがって、BからCへの占有移転が仮処分命令の執行後であれば、AはCを債務者として当該仮処分命令を債務名義に強制執行をすることができる。
③ 正しい記述
AがBに対して甲建物の明渡しを求める訴えを提起しようとする場合において、Aが申し立てた甲建物に関する占有移転禁止の仮処分命令が執行された後に、BがCに甲建物の占有を移転したときは、Aは、Cに対して当該仮処分命令を債務名義として強制執行をすることができる。
④ なぜそのルール?(立法趣旨)
占有移転禁止の仮処分は、明渡請求訴訟の本案判決を得る前に被告(債務者)が第三者に占有を移転してしまい、判決後に執行ができなくなるという事態を防ぐために設けられた制度である。仮処分執行後の占有移転者を強制執行の対象に含めなければ、悪意の債務者が仮処分後に占有を転々移転させることで保全の目的を容易に潜脱できてしまう。そのため、仮処分命令の執行後に占有を取得した者は、仮処分の存在を対抗できず、債権者はその者に対しても強制執行ができるとされている。
⑤ 覚え方・記憶のコツ
【仮処分執行後の承継人には対抗できる】占有移転禁止の仮処分は「この日以降に占有を移しても無駄ですよ」という旗を立てるイメージ。旗(仮処分執行)が立った後に入ってきた人(承継人)には、旗の効力が及ぶ。したがって、承継人への強制執行は「できる」と覚える。「できない」は誤り。
正しいルール
占有移転禁止の仮処分命令の執行後に債務者から占有を承継した者に対しては、債権者は当該仮処分命令を債務名義として強制執行をすることができる
根拠条文
民事保全法62条1項、民事保全法25条の2第1項
民事保全法62条の条文を見るe-Gov法令API取得

(占有移転禁止の仮処分命令の効力) 占有移転禁止の仮処分命令の執行がされたときは、債権者は、本案の債務名義に基づき、次に掲げる者に対し、係争物の引渡し又は明渡しの強制執行をすることができる。   一 当該占有移転禁止の仮処分命令の執行がされたことを知って当該係争物を占有した者   二 当該占有移転禁止の仮処分命令の執行後にその執行がされたことを知らないで当該係争物について債務者の占有を承継した者 2 占有移転禁止の仮処分命令の執行後に当該係争物を占有した者は、その執行がされたことを知って占有したものと推定する。

民事保全法25条の2の条文を見るe-Gov法令API取得

(債務者を特定しないで発する占有移転禁止の仮処分命令) 占有移転禁止の仮処分命令(係争物の引渡し又は明渡しの請求権を保全するための仮処分命令のうち、次に掲げる事項を内容とするものをいう。以下この条、第五十四条の二及び第六十二条において同じ。)であって、係争物が不動産であるものについては、その執行前に債務者を特定することを困難とする特別の事情があるときは、裁判所は、債務者を特定しないで、これを発することができる。   一 債務者に対し、係争物の占有の移転を禁止し、及び係争物の占有を解いて執行官に引き渡すべきことを命ずること。   二 執行官に、係争物の保管をさせ、かつ、債務者が係争物の占有の移転を禁止されている旨及び執行官が係争物を保管している旨を公示させること。 2 前項の規定による占有移転禁止の仮処分命令の執行がされたときは、当該執行によって係争物である不動産の占有を解かれた者が、債務者となる。 3 第一項の規定による占有移転禁止の仮処分命令は、第四十三条第二項の期間内にその執行がされなかったときは、債務者に対して送達することを要しない。この場合において、第四条第二項において準用する民事訴訟法第七十九条第一項の規定による担保の取消しの決定で第十四条第一項の規定により立てさせた担保に係るものは、裁判所が相当と認める方法で申立人に告知することによって、その効力を生ずる。

令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。

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