⚠ ひっかけパターン:添付情報の要否の逆転(承諾を証する情報の提供を要しないと誤らせる)
- ① どこが間違いか
- 仮登記後に登場した登記上の利害関係人であるCの承諾を証する情報の提供を要しないとしている点が誤りであり、正しくはCの承諾を証する情報(又はこれに対抗することができる裁判があったことを証する情報)の提供を要する
- ② なぜ間違いか(根拠)
- 不動産登記法109条1項は、仮登記の登記名義人が仮登記に基づく本登記をする場合において、登記上の利害関係を有する第三者があるときは、その本登記は当該第三者の承諾があるときに限りすることができると定めている。本問において、Bの仮登記後に抵当権設定登記を受けたCは、本登記がされることによって自己の抵当権の順位が仮登記の順位に劣後することになる登記上の利害関係人にあたる。したがって、AB間の本登記の申請にあたっては、Cの承諾を証する情報を申請情報と併せて提供しなければならず、これを提供しないまま申請しても本登記は受理されない。
- ③ 正しい記述
- A名義の甲土地について、Bのために所有権移転請求権保全の仮登記がされ、その後、Cのために抵当権設定登記がされた場合において、A及びBが甲土地の所有権の移転の登記(仮登記に基づく本登記)を申請するときは、登記上の利害関係を有する第三者であるCの承諾を証する情報を申請情報と併せて提供しなければならない。
- ④ なぜそのルール?(立法趣旨)
- 仮登記に基づく本登記は、仮登記の順位番号をそのまま利用して本登記の効力を生じさせるものであり、本登記がされると、仮登記後に登場した第三者の権利は仮登記の順位に劣後することになる。このような不利益を被る第三者の利益を保護し、手続の適正を図るため、あらかじめその承諾を得ることを本登記の要件としたものである。
- ⑤ 覚え方・記憶のコツ
- 【仮登記の後から来た人の承諾がないと本登記できない】仮登記→本登記で「順位が遡る」ため、間に割り込んだ第三者(後順位担保権者など)は不利益を受ける。だからこそ「利害関係人の承諾」が必須と覚える。抹消登記の際の利害関係人の承諾(不動産登記法68条)と混同しないよう、「仮登記の本登記=109条」「抹消=68条」とセットで整理するとよい。
- 正しいルール
- 仮登記に基づく本登記をする場合において、登記上の利害関係を有する第三者があるときは、その第三者の承諾を証する情報を提供しなければ本登記をすることができない
- 根拠条文
- 不動産登記法109条1項
不動産登記法109条の条文を見るe-Gov法令API取得
(仮登記に基づく本登記)
所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者(本登記につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。
2 登記官は、前項の規定による申請に基づいて登記をするときは、職権で、同項の第三者の権利に関する登記を抹消しなければならない。
令和9年(2027年)4月1日施行の法令を参考にしています。