⚠ ひっかけパターン:数字・期間の変更(2週間→1か月)
- ① どこが間違いか
- 保全執行の実施期限は保全命令が債権者に送達された日から1か月ではなく、2週間である
- ② なぜ間違いか(根拠)
- 民事保全法43条2項は、「保全執行は、保全命令が債務者に送達される前であっても、これをすることができる。ただし、保全命令が債権者に送達された日から2週間を経過したときは、この限りでない。」と定めている。すなわち、保全執行は債権者への送達日から2週間を経過すると実施することができなくなる。本問は「1か月」としている点が誤りである。
- ③ 正しい記述
- 保全執行は、債権者に対して保全命令が送達された日から2週間を経過したときは、これをすることができない。
- ④ なぜそのルール?(立法趣旨)
- 保全命令は債務者に告知される前に保全執行が行われることが多い(いわゆる不意打ち執行)が、その一方で保全命令は暫定的・緊急的な手続であるため、債権者が漫然と執行を放置することは許されない。そこで民事保全法は、保全命令が債権者に送達されてから2週間という短い期限を設けることで、迅速な執行を促し、債務者が長期間にわたって法的不安定な状態に置かれることを防ぐ趣旨から、この期限規定を設けている。
- ⑤ 覚え方・記憶のコツ
- 【保全は2週間で動け】保全手続は「緊急・暫定」が大原則。「保全命令→債権者送達→2週間以内に執行」という流れを「保全は2週間が勝負」と覚える。民事訴訟法上の控訴期間(2週間)と同じ数字なので「重要な期限は2週間」とまとめて記憶するのも有効。1か月という数字は根拠がないため要注意。
- 正しいルール
- 保全執行は、債権者に対して保全命令が送達された日から2週間を経過したときは、これをしてはならない
- 根拠条文
- 民事保全法43条2項
民事保全法43条の条文を見るe-Gov法令API取得
(保全執行の要件)
保全執行は、保全命令の正本に基づいて実施する。ただし、保全命令に表示された当事者以外の者に対し、又はその者のためにする保全執行は、執行文の付された保全命令の正本に基づいて実施する。
2 保全執行は、債権者に対して保全命令が送達された日から二週間を経過したときは、これをしてはならない。
3 保全執行は、保全命令が債務者に送達される前であっても、これをすることができる。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。