司法書士ひっかけ選択肢トレーニング

2026年09月12日 06:56 商業登記法 - 資本金の額の減少による変更登記(債権者保護手続の要否) 試験まであと295日

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問1 商業登記法 - 資本金の額の減少による変更登記(債権者保護手続の要否)

次の選択肢は誤りです。
どこが・なぜ間違いか考えてください。

甲株式会社が定時株主総会において資本金の額の減少を決議した場合において、減少する資本金の額が当該定時株主総会の日における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないときであっても、甲株式会社は、会社法449条に規定する債権者保護手続をしなければならない。
⚠ ひっかけパターン:除外規定・例外の無視(会社法449条1項ただし書の例外を無視して、常に債権者保護手続を要するとした)
甲株式会社債権者B法務局
  1. 1
    甲株式会社
    定時株主総会において資本金の額の減少を決議(減少額は欠損の額の範囲内)
  2. 2
    甲株式会社債権者B
    会社法449条1項ただし書により債権者保護手続を省略
  3. 3
    甲株式会社法務局
    資本金の額の変更登記を申請
① どこが間違いか
定時株主総会での決議で、かつ減少額が欠損の額を超えない場合には、会社法449条1項ただし書により債権者保護手続は不要であるにもかかわらず、常に必要であるとしている点が誤り
② なぜ間違いか(根拠)
会社法449条1項は、資本金の額の減少をする株式会社は原則として債権者保護手続(官報公告及び知れている債権者への各別の催告)をしなければならないと定めているが、同項ただし書は、定時株主総会において資本金の額の減少を決議する場合において、減少する資本金の額が当該定時株主総会の日における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないときは、この限りでないと規定している。本問はこの例外要件を満たすため、債権者保護手続を要しない。
③ 正しい記述
甲株式会社が定時株主総会において資本金の額の減少を決議した場合において、減少する資本金の額が当該定時株主総会の日における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないときは、甲株式会社は、会社法449条に規定する債権者保護手続をすることを要しない。
④ なぜそのルール?(立法趣旨)
債権者保護手続は、資本金の額の減少によって会社財産の払戻し等がされ債権者の引当てとなる財産が減少することへの配慮から要求されるものである。しかし、定時株主総会で既に生じている欠損(マイナス)の範囲内で計算上資本金を減少させるにとどまる場合は、現実の会社財産の流出を伴わず、債権者を害するおそれが類型的に乏しいため、手続の簡略化が認められている。
⑤ 覚え方・記憶のコツ
【欠損の穴埋めなら手続不要】定時総会+欠損の範囲内=「すでに空いた穴を数字上ふさぐだけ」で財産は減らないので債権者保護は不要、と覚える。対比として、通常の減資(臨時株主総会や欠損額を超える減少)は原則どおり債権者保護手続が必要であり、逆に募集株式の発行(増資)は会社財産が増える方向なので、そもそも債権者保護手続の制度自体が存在しない点も併せて整理する。
⑥ 本試験ではここも問われる(関連論点)
正しいルール
定時株主総会において資本金の額の減少を決議し、減少する額が当該定時株主総会の日における欠損の額を超えないときは、会社法449条の債権者保護手続を要しない
根拠条文
会社法447条1項、会社法449条1項、商業登記法70条
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(…)(資本金の額の減少) 株式会社は、資本金の額を減少することができる。この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。   一 減少する資本金の額   二 減少する資本金の額の全部又は一部を準備金とするときは、その旨及び準備金とする額   三 資本金の額の減少がその効力を生ずる日 2 前項第1号の額は、同項第3号の日における資本金の額を超えてはならない。 3 株式会社が株式の発行と同時に資本金の額を減少する場合において、当該資本金の額の減少の効力が生ずる日後の資本金の額が当該日前の資本金の額を下回らないときにおける第1項の規定の適用については、同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(…)(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」とする。

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(…)(債権者の異議) 株式会社が資本金又は準備金(…)(以下この条において「資本金等」という。)の額を減少する場合(…)(減少する準備金の額の全部を資本金とする場合を除く。)には、当該株式会社の債権者は、当該株式会社に対し、資本金等の額の減少について異議を述べることができる。ただし、準備金の額のみを減少する場合であって、次のいずれにも該当するときは、この限りでない。   一 定時株主総会において前条第1項各号に掲げる事項を定めること。   二 前条第1項第1号の額が前号の定時株主総会の日(…)(第439条前段に規定する場合にあっては、第436条第3項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。 2 前項の規定により株式会社の債権者が異議を述べることができる場合には、当該株式会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第3号の期間は、1箇月を下ることができない。   一 当該資本金等の額の減少の内容   二 当該株式会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの   三 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 3 前項の規定にかかわらず、株式会社が同項の規定による公告を、官報のほか、第939条第1項の規定による定款の定めに従い、同項第2号又は第3号に掲げる公告方法によりするときは、前項の規定による各別の催告は、することを要しない。 4 債権者が第2項第3号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該資本金等の額の減少について承認をしたものとみなす。 5 債権者が第2項第3号の期間内に異議を述べたときは、株式会社は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等(…)(信託会社及び信託業務を営む金融機関(金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和18年法律第43号)第1条第1項の認可を受けた金融機関をいう。)をいう。以下同じ。)に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該資本金等の額の減少をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。 6 次の各号に掲げるものは、当該各号に定める日にその効力を生ずる。ただし、第2項から前項までの規定による手続が終了していないときは、この限りでない。   一 資本金の額の減少第447条第1項第3号の日   二 準備金の額の減少前条第1項第3号の日 7 株式会社は、前項各号に定める日前は、いつでも当該日を変更することができる。

商業登記法70条の条文を見るe-Gov法令API取得

(…)(資本金の額の減少による変更の登記) 資本金の額の減少による変更の登記の申請書には、会社法第449条第2項の規定による公告及び催告(…)(同条第3項の規定により公告を官報のほか時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙又は電子公告によつてした場合にあつては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該資本金の額の減少をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面を添付しなければならない。

登記申請例を見る(記述対策)
登記の事由資本金の額の変更
登記すべき事項令和〇年〇月〇日変更 資本金の額 金〇円
申請人甲株式会社
添付書面定時株主総会議事録 1通
資本金の額の減少が会社法447条1項の規定に従ってされたことを証する書面 1通
委任状 1通
登録免許税額金3万円
特記事項定時株主総会での決議で減少額が欠損の額を超えない場合は、会社法449条1項ただし書により債権者保護手続関係書面(公告及び催告をしたことを証する書面等)の添付を要しない

令和9年(2027年)4月1日施行の法令を参考にしています。

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