⚠ ひっかけパターン:効果・結論の逆転(控訴できない→控訴できるとした)
- ① どこが間違いか
- 少額訴訟の終局判決に対しては控訴をすることができないにもかかわらず、控訴ができるとしている
- ② なぜ間違いか(根拠)
- 民事訴訟法377条は「少額訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることができない。」と明確に定めている。少額訴訟の終局判決に不服がある当事者は、民事訴訟法378条1項により、判決書又は調書の送達を受けた日から2週間の不変期間内に、その判決をした裁判所に異議を申し立てることができるにとどまり、上級審への控訴という手段は用意されていない。
- ③ 正しい記述
- 少額訴訟の終局判決に対しては控訴をすることができない。当該判決に不服がある当事者は、判決をした裁判所に対して異議を申し立てることができるにとどまる。
- ④ なぜそのルール?(立法趣旨)
- 少額訴訟制度は、少額の金銭紛争を原則として1回の期日で審理を終える簡易迅速な手続として設けられたものであるため、控訴による上級審での審理を認めると制度趣旨である迅速な解決が損なわれてしまう。そこで、不服申立ての手段を同一審級内での異議申立てに限定し、審理の長期化を防いでいる。
- ⑤ 覚え方・記憶のコツ
- 【少額訴訟は控訴なし・異議どまり】少額訴訟の終局判決に対する不服は「控訴」ではなく「異議」と覚える。さらに、異議後に通常の手続でされた判決に対しても控訴をすることができない(民事訴訟法380条2項)点まで押さえておくと、上訴制度全体の理解が深まる。通常訴訟の第一審判決であれば控訴可能である点との対比で混同を防ぐこと。
- ⑥ 本試験ではここも問われる(関連論点)
- 少額訴訟による審理及び裁判を求めることができるのは、訴訟の目的の価額が60万円以下の金銭の支払いを目的とする訴えに限られる。
- 同一の簡易裁判所において同一の年に少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる回数は10回までに制限されている。
- 被告は、最初にすべき口頭弁論の期日において弁論をし、又はその期日が終了するまでは、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。
- 正しいルール
- 少額訴訟の終局判決に対しては控訴をすることができず、判決をした裁判所に異議を申し立てることができるにとどまる
- 根拠条文
- 民事訴訟法377条、民事訴訟法378条1項
民事訴訟法377条の条文を見るe-Gov法令API取得
(控訴の禁止)
少額訴訟の終局判決に対しては、控訴をすることができない。
民事訴訟法378条の条文を見るe-Gov法令API取得
(異議)
少額訴訟の終局判決に対しては、電子判決書又は第二百五十四条第二項(第三百七十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定により当事者及び法定代理人、主文、請求並びに理由の要旨が記録された電子調書の送達を受けた日から二週間の不変期間内に、その判決をした裁判所に異議を申し立てることができる。ただし、その期間前に申し立てた異議の効力を妨げない。
2 第三百五十八条から第三百六十条までの規定は、前項の異議について準用する。
令和9年(2027年)4月1日施行の法令を参考にしています。