⚠ ひっかけパターン:除外規定・例外の無視(両院協議会が必要的に開かれる点を無視し、両院協議会を経ずに衆議院の議決が国会の議決になるとした)
- ① どこが間違いか
- 両院協議会を開くことなく衆議院の議決が国会の議決となるとした点。両院協議会を開いても意見が一致しないときに、はじめて衆議院の議決が国会の議決となる。
- ② なぜ間違いか(根拠)
- 日本国憲法67条2項は、衆議院と参議院とが異なった指名の議決をした場合において、法律の定めるところにより、両院協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて10日以内に、参議院が指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とすると定めている。したがって、異なった議決がされた場合には、まず両院協議会を開くことが必要であり、これを経ずに衆議院の議決が国会の議決となるわけではない。なお、参議院が10日以内に議決をしない場合は、両院協議会を経ずに衆議院の議決が国会の議決となる。
- ③ 正しい記述
- 内閣総理大臣の指名について、衆議院と参議院とが異なった議決をした場合には、両院協議会を開いても意見が一致しないときに、衆議院の議決が国会の議決となる。
- ④ なぜそのルール?(立法趣旨)
- 内閣総理大臣の指名は、内閣の組織という国政運営の出発点であり、政治空白を長引かせることはできない。そこで衆議院の優越を認めつつ、民意を直接反映する衆議院の意思を最終的に優先させる一方、その前に両院協議会で調整の機会を設けることにより、両院の意思の調整を図る趣旨から、このように定められている。
- ⑤ 覚え方・記憶のコツ
- 【指名・予算・条約は両院協議会が必要的、法律案は任意】内閣総理大臣の指名・予算・条約の承認は、両院の議決が異なれば必ず両院協議会を開く(日本国憲法67条2項、日本国憲法60条2項、日本国憲法61条)。これに対し、法律案は衆議院が両院協議会を求めることが「できる」にとどまる(日本国憲法59条3項)。また、参議院が議決しない場合の期間は、内閣総理大臣の指名が10日、予算・条約が30日、法律案が60日(否決とみなすことができる)と整理する。
- ⑥ 本試験ではここも問われる(関連論点)
- 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で指名され、この指名は他のすべての案件に先立って行われる。
- 参議院が、衆議院の指名の議決を受け取った後、国会休会中の期間を除いて10日以内に指名の議決をしないときは、衆議院の議決が国会の議決となる。
- 法律案について衆議院が可決し、参議院が異なった議決をした場合、衆議院が両院協議会の開催を求めることは妨げられないが、必ず開かなければならないわけではない。
- 正しいルール
- 内閣総理大臣の指名について衆議院と参議院とが異なった議決をした場合は、法律の定めるところにより両院協議会を開き、それでも意見が一致しないときに、衆議院の議決が国会の議決となる。
- 根拠条文
- 日本国憲法67条2項
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内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。
2 衆議院と参議院とが異なつた指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて10日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。
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令和9年(2027年)4月1日施行の法令を参考にしています。