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2026年06月23日 06:56 不動産登記法 - 根抵当権の元本確定前の譲渡(全部譲渡)の登記

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問1 不動産登記法 - 根抵当権の元本確定前の譲渡(全部譲渡)の登記

次の選択肢は誤りです。
どこが・なぜ間違いか考えてください。

AがBの所有する甲土地を目的として根抵当権の設定を受けた場合において、元本の確定前にAがCに当該根抵当権を全部譲渡したときは、A及びBが甲土地の根抵当権の移転の登記を申請するに際し、登記権利者であるCが登記識別情報を提供しなければならない。
⚠ ひっかけパターン:主体の入れ替え(登記義務者↔登記権利者)
根抵当権者A(譲渡人)設定者B(登記義務者)譲受人C(登記権利者)法務局(登記所)
  1. 1
    根抵当権者A設定者B
    根抵当権設定契約(甲土地)
  2. 2
    根抵当権者A譲受人C
    根抵当権全部譲渡契約(元本確定前・Bの承諾要)
  3. 3
    譲受人C法務局
    根抵当権移転登記申請(C+B共同申請・登記識別情報提供義務者はB)
① どこが間違いか
登記識別情報を提供しなければならないのは登記義務者(設定者B)であり、登記権利者(譲受人C)ではない。また、申請人は登記権利者Cと登記義務者Bの共同申請であり、問題文の「A及びB」という申請人の記載自体も誤りである。
② なぜ間違いか(根拠)
根抵当権の全部譲渡による移転の登記(不動産登記法60条)は、登記権利者(根抵当権の譲受人C)と登記義務者(根抵当権設定者B)が共同して申請する。不動産登記法22条本文は、登記の申請をする者のうち「登記義務者」が登記識別情報を提供しなければならないと定めているから、提供義務を負うのはBである。本問の問題文は申請人を「A及びB」としている点も誤りであり(正しくはC及びB)、さらに登記識別情報の提供主体をC(登記権利者)としている点でも誤りである。なお、根抵当権の全部譲渡には設定者の承諾が必要(民法398条の12第1項)であり、その承諾を証する情報も添付情報として提供を要する。
③ 正しい記述
AがBの所有する甲土地を目的として根抵当権の設定を受けた場合において、元本の確定前にAがCに当該根抵当権を全部譲渡したときは、登記権利者C及び登記義務者Bが甲土地の根抵当権の移転の登記を申請しなければならず、当該申請に際しては、登記義務者であるBが登記識別情報を提供しなければならない。
④ なぜそのルール?(立法趣旨)
登記識別情報は、登記された権利者が当該登記を受けた際に通知されるものであり、「現在の登記名義人が真の権利者であること(本人性)」を確認するために用いられる。移転登記において権利を失う登記義務者(本問では設定者B)は甲土地について既に登記を受けた者であるから、そのときに通知された登記識別情報を提供することで本人確認がなされる。一方、登記権利者(譲受人C)は新たに権利を取得する立場であり、当該不動産について過去に登記を受けたわけではないため、提供義務を負わないとされている。
⑤ 覚え方・記憶のコツ
【「義務者」が義務を負う、「権利者」は提供不要】登記識別情報の提供義務は「登記義務者=登記によって権利を失う側(売主・設定者など)」に課される。根抵当権の移転登記では「誰が登記義務者か」を正確に把握することが重要で、根抵当権者(譲渡人A)ではなく設定者(B)が登記義務者になる点が本問のポイント。「設定者は移転登記でも義務者」と押さえておこう。
正しいルール
根抵当権の全部譲渡による移転の登記は、登記権利者(譲受人)及び登記義務者(設定者)が共同して申請しなければならず、登記義務者である設定者が登記識別情報を提供しなければならない
根拠条文
不動産登記法22条、不動産登記法60条、民法398条の12第1項
不動産登記法22条の条文を見るe-Gov法令API取得

(登記識別情報の提供) 登記権利者及び登記義務者が共同して権利に関する登記の申請をする場合その他登記名義人が政令で定める登記の申請をする場合には、申請人は、その申請情報と併せて登記義務者(政令で定める登記の申請にあっては、登記名義人。次条第一項、第二項及び第四項各号において同じ。)の登記識別情報を提供しなければならない。ただし、前条ただし書の規定により登記識別情報が通知されなかった場合その他の申請人が登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由がある場合は、この限りでない。

不動産登記法60条の条文を見るe-Gov法令API取得

(共同申請) 権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。

民法398条の12の条文を見るe-Gov法令API取得

(根抵当権の譲渡) 元本の確定前においては、根抵当権者は、根抵当権設定者の承諾を得て、その根抵当権を譲り渡すことができる。 2 根抵当権者は、その根抵当権を二個の根抵当権に分割して、その一方を前項の規定により譲り渡すことができる。この場合において、その根抵当権を目的とする権利は、譲り渡した根抵当権について消滅する。 3 前項の規定による譲渡をするには、その根抵当権を目的とする権利を有する者の承諾を得なければならない。

登記申請例を見る(記述対策)
登記の目的根抵当権移転
登記原因及びその日付令和〇年〇月〇日 譲渡
申請人の氏名又は名称(権利者)
申請人の氏名又は名称(義務者)
添付情報登記原因証明情報
登記識別情報(Bの登記識別情報)
登記上の利害関係を有する第三者の承諾を証する情報(存在する場合)
代理権限証明情報
登録免許税額不動産の価額の1000分の2
特記事項根抵当権の移転の登記は付記登記によってされる。設定者Bの承諾を証する情報(民法398条の12第1項)も添付情報として提供を要する。申請人は根抵当権の譲受人C(登記権利者)と設定者B(登記義務者)の共同申請であり、根抵当権者Aは申請人とならない点に注意。

令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。

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