⚠ ひっかけパターン:除外規定・例外の無視(累積投票により選任された取締役の解任に特別決議を要する例外を無視し、常に普通決議でよいとした)
- ① どこが間違いか
- 累積投票により選任された取締役の解任は、普通決議ではなく特別決議によらなければならない
- ② なぜ間違いか(根拠)
- 取締役は、いつでも株主総会の決議によって解任することができ(会社法339条1項)、その決議は原則として普通決議による(会社法341条)。しかし、累積投票により選任された取締役(会社法342条3項から5項まで)の解任の決議は、会社法309条2項7号により特別決議とされている。本問のAは累積投票により選任された取締役であるから、その解任には、議決権の過半数を有する株主が出席し、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成が必要であり、普通決議では足りない。
- ③ 正しい記述
- 甲株式会社の株主総会において累積投票により選任された取締役Aを解任する場合には、その解任の決議は、株主総会の特別決議によらなければならない。
- ④ なぜそのルール?(立法趣旨)
- 累積投票制度は、少数派株主が自己の推す取締役を選任できるようにするための制度である。その取締役を多数派が普通決議で自由に解任できるとすると、制度の趣旨が没却される。そこで、累積投票により選任された取締役の解任は特別決議という加重された要件にして、少数派株主の利益を保護している。
- ⑤ 覚え方・記憶のコツ
- 【少数派が選んだ者は特別決議で守る】累積投票で選ばれた取締役の解任と監査役の解任は特別決議、それ以外の取締役の解任は普通決議、と整理する。対比:取締役の選任・解任は普通決議(会社法341条)、監査役の解任は特別決議(会社法309条2項7号)。なお、監査役の選任は普通決議である。
- ⑥ 本試験ではここも問われる(関連論点)
- 監査役の解任は、株主総会の特別決議によらなければならない。
- 累積投票により選任されたものではない取締役の解任は、株主総会の普通決議によってすることができ、その定足数は定款で3分の1まで引き下げることができる。
- 株主総会の決議により解任された取締役は、解任について正当な理由がある場合を除き、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。
- 正しいルール
- 取締役の解任は原則として株主総会の普通決議によるが、累積投票により選任された取締役の解任は株主総会の特別決議によらなければならない
- 根拠条文
- 会社法339条1項、会社法341条、会社法309条2項7号、会社法342条
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(解任)
役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。
2 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、株式会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。
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(役員の選任及び解任の株主総会の決議)
第309条第1項の規定にかかわらず、役員を選任し、又は解任する株主総会の決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(3分の1以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)(…)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)(…)をもって行わなければならない。
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(株主総会の決議)
株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。
2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(3分の1以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)(…)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)(…)以上に当たる多数をもって行わなければならない。この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。
一 第140条第2項及び第5項の株主総会
二 第156条第1項の株主総会(第160条第1項の特定の株主を定める場合に限る。)(…)
三 第171条第1項及び第175条第1項の株主総会
四 第180条第2項の株主総会
五 第199条第2項、第200条第1項、第202条第3項第4号、第204条第2項及び第205条第2項の株主総会
六 第238条第2項、第239条第1項、第241条第3項第4号、第243条第2項及び第244条第3項の株主総会
七 第339条第1項の株主総会(第342条第3項から第5項までの規定により選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。)を解任する場合又は監査等委員である取締役若しくは監査役を解任する場合に限る。)(…)
八 第425条第1項の株主総会
九 第447条第1項の株主総会(次のいずれにも該当する場合を除く。)(…)
十 第454条第4項の株主総会(配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して同項第1号に規定する金銭分配請求権を与えないこととする場合に限る。)(…)
十一 第6章から第8章までの規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会
十二 第5編の規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会
3 前2項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会(種類株式発行会社の株主総会を除く。)(…)の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)(…)であって、当該株主の議決権の3分の2(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)(…)以上に当たる多数をもって行わなければならない。
一 その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う株主総会
二 第783条第1項の株主総会(合併により消滅する株式会社又は株式交換をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等(同条第3項に規定する譲渡制限株式等をいう。次号において同じ。)である場合における当該株主総会に限る。)(…)
三 第804条第1項の株主総会(合併又は株式移転をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合における当該株主総会に限る。)(…)
4 前3項の規定にかかわらず、第109条第2項の規定による定款の定めについての定款の変更(当該定款の定めを廃止するものを除く。)(…)を行う株主総会の決議は、総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)(…)であって、総株主の議決権の4分の3(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)(…)以上に当たる多数をもって行わなければならない。
5 取締役会設置会社においては、株主総会は、第298条第1項第2号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。ただし、第316条第1項若しくは第2項に規定する者の選任又は第398条第2項の会計監査人の出席を求めることについては、この限りでない。
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(累積投票による取締役の選任)
株主総会の目的である事項が2人以上の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この条において同じ。)(…)の選任である場合には、株主(取締役の選任について議決権を行使することができる株主に限る。以下この条において同じ。)(…)は、定款に別段の定めがあるときを除き、株式会社に対し、第3項から第5項までに規定するところにより取締役を選任すべきことを請求することができる。
2 前項の規定による請求は、同項の株主総会の日の5日前までにしなければならない。
3 第308条第1項の規定にかかわらず、第1項の規定による請求があった場合には、取締役の選任の決議については、株主は、その有する株式1株(単元株式数を定款で定めている場合にあっては、一単元の株式)(…)につき、当該株主総会において選任する取締役の数と同数の議決権を有する。この場合においては、株主は、1人のみに投票し、又は2人以上に投票して、その議決権を行使することができる。
4 前項の場合には、投票の最多数を得た者から順次取締役に選任されたものとする。
5 前2項に定めるもののほか、第1項の規定による請求があった場合における取締役の選任に関し必要な事項は、法務省令で定める。
6 前条の規定は、前3項に規定するところにより選任された取締役の解任の決議については、適用しない。
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令和9年(2027年)4月1日施行の法令を参考にしています。