論点商法 - 商号の譲渡と営業譲渡に伴う譲受人の責任
⚠ ひっかけパターン:効果・結論の逆転(免責登記による適用除外を否定した)
- ① どこが間違いか
- 免責の登記をしたときであっても責任を負うとした点
- ② なぜ間違いか(根拠)
- 商法17条1項は、商号を続用する譲受人が譲渡人の営業によって生じた債務を弁済する責任を負うと定める。しかし同条2項は、営業譲渡後遅滞なく、譲受人が債務を弁済する責任を負わない旨を登記した場合には、同条1項は適用しないと定めている。したがって、免責の登記をすれば譲受人は責任を負わない。また、譲受人及び譲渡人から第三者に対し遅滞なくその旨を通知した場合も、その通知を受けた第三者との関係で同様に免責される。
- ③ 正しい記述
- AがBに営業を譲渡し、Bが譲渡人Aの商号を引き続き使用する場合において、営業の譲渡後遅滞なく、Bが譲渡人Aの債務を弁済する責任を負わない旨を登記したときは、Bは、Aの営業によって生じた債務を弁済する責任を負わない。
- ④ なぜそのルール?(立法趣旨)
- 商号が続用されると、債権者は営業主体が変わっていないと信頼しやすく、譲受人に請求できると期待するため、譲受人に責任を負わせている。しかし、免責の登記や通知によって債権者がその信頼を持てない状況になれば、保護の必要がなくなることから、責任を負わないと定められている。
- ⑤ 覚え方・記憶のコツ
- 【続用は原則責任、登記か通知で免責】商号続用=責任あり(17条1項)、遅滞なく免責登記または通知=責任なし(同条2項)。対比:譲渡人の責任は営業譲渡の日後2年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対して消滅する(同条3項)。免責の登記は譲受人の責任の話であり、譲渡人の責任の消滅とは別である。
- ⑥ 本試験ではここも問われる(関連論点)
- 譲受人が譲渡人の商号を引き続き使用する場合の責任に、承継した財産の価額による限度はない。
- 譲受人が責任を負う場合、譲渡人の責任は、営業を譲渡した日後2年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。
- 商号続用の場合に、譲渡人の営業によって生じた債権について譲受人にした弁済は、弁済者が善意でかつ重大な過失がないときは、その効力を有する。
- 正しいルール
- 営業譲受人が譲渡人の商号を引き続き使用する場合でも、営業譲渡後遅滞なく、譲受人が債務を弁済する責任を負わない旨を登記すれば、譲受人は責任を負わない。
- 根拠条文
- 商法17条1項、商法17条2項、商法17条3項
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(譲渡人の商号を使用した譲受人の責任等)
営業を譲り受けた商人(以下この章において「譲受人」という。)(…)が譲渡人の商号を引き続き使用する場合には、その譲受人も、譲渡人の営業によって生じた債務を弁済する責任を負う。
2 前項の規定は、営業を譲渡した後、遅滞なく、譲受人が譲渡人の債務を弁済する責任を負わない旨を登記した場合には、適用しない。営業を譲渡した後、遅滞なく、譲受人及び譲渡人から第三者に対しその旨の通知をした場合において、その通知を受けた第三者についても、同様とする。
3 譲受人が第1項の規定により譲渡人の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡人の責任は、営業を譲渡した日後2年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。
4 第1項に規定する場合において、譲渡人の営業によって生じた債権について、その譲受人にした弁済は、弁済者が善意でかつ重大な過失がないときは、その効力を有する。
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令和9年(2027年)4月1日施行の法令を参考にしています。