⚠ ひっかけパターン:効果・結論の逆転(司法審査が「及ばない」→「及ぶ」)
最高裁判所(司法権)内閣(条約締結権)国会(条約承認権)日米安全保障条約(高度の政治性) - 1
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- ① どこが間違いか
- 一見極めて明白に違憲無効と認められる場合には司法審査が及ばないとしている点が誤り。判例は「一見極めて明白に違憲無効と認められない限り」司法審査が及ばないとしており、明白に違憲無効な場合には司法審査が及ぶ余地を残している
- ② なぜ間違いか(根拠)
- 最高裁判所昭和34年12月16日大法廷判決(砂川事件)は、日米安全保障条約のように「主権国としてのわが国の存立の基礎に極めて重大な関係をもつ高度の政治性を有するもの」については、その内容が違憲かどうかの法的判断は、「一見極めて明白に違憲無効と認められない限りは、裁判所の司法審査権の範囲外のものであって、それは第一次的には、右条約の締結権を有する内閣およびこれに対して承認権を有する国会の判断に従うべく」と判示した。すなわち、判例は「一見極めて明白に違憲無効と認められない限り」という留保を設けており、明白に違憲無効な場合は司法審査の対象となりうる。本問の選択肢は「一見極めて明白に違憲無効と認められる場合であっても、司法審査は及ばない」としており、この留保を無視している点で誤りである。
- ③ 正しい記述
- 最高裁判所の判例によれば、日米安全保障条約のように高度の政治性を有する国家行為については、一見極めて明白に違憲無効と認められない限り、司法審査は及ばない。
- ④ なぜそのルール?(立法趣旨)
- 統治行為論は、三権分立の観点から、高度に政治的な国家行為については民主的正統性を有する内閣・国会の判断を尊重し、裁判所が政治的問題に過度に介入することを避けるという考え方に基づく。もっとも、一切の司法審査を排除するとすれば日本国憲法81条の違憲審査権が空洞化するおそれがあるため、「一見極めて明白に違憲無効」という限界を設けることで、司法の役割との均衡を図っている。
- ⑤ 覚え方・記憶のコツ
- 【砂川事件の公式:「明白に違憲でない限り」審査しない】「一見極めて明白に違憲無効と認められない限り」という文言を逆から読むと「明白に違憲なら審査できる」となる。「明白でないから審査しない、明白なら審査する」と整理すると引っかかりにくい。試験では「であっても及ばない」(全面排除)と「でない限り及ばない」(限定的排除)の差に注意すること。
- 正しいルール
- 高度の政治性を有する国家行為(統治行為)については、一見極めて明白に違憲無効と認められない限り、司法審査は及ばないとするのが判例の立場である
- 根拠条文
- 日本国憲法81条、最高裁判所昭和34年12月16日大法廷判決(砂川事件)
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。