⚠ ひっかけパターン:数字・期間の変更(引渡命令の申立期間:6か月→3か月)
- ① どこが間違いか
- 引渡命令の申立期間は代金納付の日から3か月以内ではなく、6か月以内である
- ② なぜ間違いか(根拠)
- 民事執行法83条1項は、買受人は、代金を納付した日から6か月以内に限り、執行裁判所に対し、当該不動産の占有者に対する引渡命令を申し立てることができると定めている。本問は「3か月以内」としている点が誤りである。なお、代金納付により所有権を取得するとする前段(民事執行法79条)は正しい記述であり、後段の期間のみが誤りである。
- ③ 正しい記述
- 強制競売の手続において、買受人は、代金を納付した時に不動産の所有権を取得し、当該不動産の占有者に対する引渡命令の申立ては、代金を納付した日から6か月以内にしなければならない。
- ④ なぜそのルール?(立法趣旨)
- 引渡命令は、競売不動産の占有者を強制的に退去させるための簡易・迅速な手続であり、通常の明渡訴訟と比べて時間・費用の節約が可能である。一方で、占有者側の利益保護の観点から、申立てには一定の期限が設けられており、代金納付の日から6か月を超えた場合は、通常の明渡訴訟によって対応することが求められる。6か月という期間は、買受人が不動産を取得した後、占有状況を確認し引渡交渉等を経るのに合理的な期間として設定されている。
- ⑤ 覚え方・記憶のコツ
- 【引渡命令は半年(6か月)】「代金を払って所有者になった後、半年以内に引渡命令を申し立てる」と覚える。「3か月」は民事保全法における保全執行の実施期限(保全命令の送達から2週間以内)など他の手続と混同しやすいため注意。引渡命令の申立期間=6か月は「民事執行法83条」という条番号と合わせて「83(やさしく)半年」とイメージすると定着しやすい。
- 正しいルール
- 買受人は代金を納付した時に不動産の所有権を取得し、引渡命令の申立ては代金を納付した日から6か月以内にしなければならない
- 根拠条文
- 民事執行法79条、民事執行法83条1項
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(不動産の取得の時期)
買受人は、代金を納付した時に不動産を取得する。
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(引渡命令)
執行裁判所は、代金を納付した買受人の申立てにより、債務者又は不動産の占有者に対し、不動産を買受人に引き渡すべき旨を命ずることができる。ただし、事件の記録上買受人に対抗することができる権原により占有していると認められる者に対しては、この限りでない。
2 買受人は、代金を納付した日から六月(買受けの時に民法第三百九十五条第一項に規定する抵当建物使用者が占有していた建物の買受人にあつては、九月)を経過したときは、前項の申立てをすることができない。
3 執行裁判所は、債務者以外の占有者に対し第一項の規定による決定をする場合には、その者を審尋しなければならない。ただし、事件の記録上その者が買受人に対抗することができる権原により占有しているものでないことが明らかであるとき、又は既にその者を審尋しているときは、この限りでない。
4 第一項の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
5 第一項の規定による決定は、確定しなければその効力を生じない。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。