⚠ ひっかけパターン:例外規定(ただし書)の無視
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甲株式会社→法務局
④印鑑証明書を添付して変更登記を申請
- ① どこが間違いか
- 就任を承諾したことを証する書面に記載された氏名及び住所と同一の印鑑証明書を添付する場合には、本人確認証明書の提供を要しないという商業登記規則61条7項ただし書の例外を無視している
- ② なぜ間違いか(根拠)
- 商業登記規則61条7項本文は、設立の登記又は取締役・監査役・執行役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書には、就任を承諾したことを証する書面に記載された氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載された本人確認証明書を添付しなければならないと定めている。しかし同項ただし書により、その氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載された印鑑証明書を添付するときは、本人確認証明書の添付は不要とされる。本問のAは代表取締役に選定されており、その印鑑証明書を登記申請書に添付するため、この例外に該当し、本人確認証明書の提供は不要である。
- ③ 正しい記述
- 取締役会設置会社である甲株式会社において、Aが新たに取締役として選任され、取締役会の決議によって代表取締役に選定された場合、当該登記の申請書に、Aの就任を承諾したことを証する書面に押した印鑑につき印鑑証明書を添付するときは、Aの本人確認証明書を提供することを要しない。
- ④ なぜそのルール?(立法趣旨)
- 本人確認証明書は、就任した取締役等が実在する本人であることを登記所において確認するための制度であるが、印鑑証明書には既に住所・氏名について公的な確認機能が備わっているため、重複して本人確認証明書を求める必要がない。そこで、印鑑証明書を添付する場合には本人確認証明書の添付を不要とすることで、申請人の負担を軽減しつつ本人確認の実効性を確保している。
- ⑤ 覚え方・記憶のコツ
- 【印鑑証明書があれば本人確認済み】印鑑証明書を添付する代表取締役等は、本人確認証明書が不要と覚える。対比:印鑑証明書を添付しない取締役会設置会社の取締役(代表取締役以外)の就任登記では、住民票の写し等の本人確認証明書が必要になる点、また「再任」の場合はそもそも本人確認証明書自体が不要になる点と混同しないよう整理する。
- ⑥ 本試験ではここも問われる(関連論点)
- 取締役の再任による変更登記の申請書には、本人確認証明書の提供を要しない。
- 監査役や執行役の就任による変更登記についても、商業登記規則61条7項と同様の規律が適用される。
- 取締役会設置会社において代表取締役以外の取締役として新たに就任した者は印鑑証明書を添付しないため、住民票の写し等の本人確認証明書の提供を要する。
- 正しいルール
- 取締役・監査役・執行役の就任(再任を除く)による変更の登記の申請書には本人確認証明書の添付を要するが、就任を承諾したことを証する書面に記載された氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載された印鑑証明書を添付するときは、本人確認証明書の提供を要しない
- 根拠条文
- 商業登記規則61条7項
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(添付書面)
定款の定め又は裁判所の許可がなければ登記すべき事項につき無効又は取消しの原因が存することとなる申請については、申請書に、定款又は裁判所の許可書を添付しなければならない。
2 登記すべき事項につき次の各号に掲げる者全員の同意を要する場合には、申請書に、当該各号に定める事項を証する書面を添付しなければならない。
一 株主株主全員の氏名又は名称及び住所並びに各株主が有する株式の数(種類株式発行会社にあつては、株式の種類及び種類ごとの数を含む。次項において同じ。)及び議決権の数
二 種類株主当該種類株主全員の氏名又は名称及び住所並びに当該種類株主のそれぞれが有する当該種類の株式の数及び当該種類の株式に係る議決権の数
3 登記すべき事項につき株主総会又は種類株主総会の決議を要する場合には、申請書に、総株主(種類株主総会の決議を要する場合にあつては、その種類の株式の総株主)の議決権(当該決議(会社法第三百十九条第一項(同法第三百二十五条において準用する場合を含む。)の規定により当該決議があつたものとみなされる場合を含む。)において行使することができるものに限る。以下この項において同じ。)の数に対するその有する議決権の数の割合が高いことにおいて上位となる株主であつて、次に掲げる人数のうちいずれか少ない人数の株主の氏名又は名称及び住所、当該株主のそれぞれが有する株式の数(種類株主総会の決議を要する場合にあつては、その種類の株式の数)及び議決権の数並びに当該株主のそれぞれが有する議決権に係る当該割合を証する書面を添付しなければならない。
一 十名
二 その有する議決権の数の割合を当該割合の多い順に順次加算し、その加算した割合が三分の二に達するまでの人数
4 設立(合併及び組織変更による設立を除く。)の登記の申請書には、設立時取締役が就任を承諾したこと(成年後見人又は保佐人が本人に代わつて承諾する場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人が本人に代わつて就任を承諾したこと。以下この項において同じ。)を証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。取締役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書に添付すべき取締役が就任を承諾したことを証する書面に押印した印鑑についても、同様とする。
5 取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「設立時取締役」とあるのは「設立時代表取締役又は設立時代表執行役」と、同項後段中「取締役」とあるのは「代表取締役又は代表執行役」とする。
6 代表取締役又は代表執行役の就任による変更の登記の申請書には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、当該印鑑と変更前の代表取締役又は代表執行役(取締役を兼ねる者に限る。)が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。
一 株主総会又は種類株主総会の決議によつて代表取締役を定めた場合議長及び出席した取締役が株主総会又は種類株主総会の議事録に押印した印鑑
二 取締役の互選によつて代表取締役を定めた場合取締役がその互選を証する書面に押印した印鑑
三 取締役会の決議によつて代表取締役又は代表執行役を選定した場合出席した取締役及び監査役が取締役会の議事録に押印した印鑑
7 設立の登記又は取締役、監査役若しくは執行役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書には、設立時取締役、設立時監査役、設立時執行役、取締役、監査役又は執行役(以下この項及び第百三条において「取締役等」という。)が就任を承諾したこと(成年後見人又は保佐人が本人に代わつて承諾する場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人が本人に代わつて就任を承諾したこと)を証する書面に記載した取締役等の氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市町村長その他の公務員が職務上作成した証明書(当該取締役等(その者の成年後見人又は保佐人が本人に代わつて就任を承諾した場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人)が原本と相違がない旨を記載した謄本を含む。)を添付しなければならない。ただし、登記の申請書に第四項(第五項において読み替えて適用される場合を含む。)又は前項の規定により当該取締役等の印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付する場合は、この限りでない。
8 代表取締役若しくは代表執行役又は取締役若しくは執行役(登記所に印鑑を提出した者がある場合にあつては当該印鑑を提出した者に限り、登記所に印鑑を提出した者がない場合にあつては会社の代表者に限る。以下この項において「代表取締役等」という。)の辞任による変更の登記の申請書には、当該代表取締役等(その者の成年後見人又は保佐人が本人に代わつて行う場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人)が辞任を証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、登記所に印鑑を提出した者がある場合であつて、当該書面に押印した印鑑と当該代表取締役等が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。
9 設立の登記又は資本金の額の増加若しくは減少による変更の登記の申請書には、資本金の額が会社法及び会社計算規則(平成十八年法務省令第十三号)の規定に従つて計上されたことを証する書面を添付しなければならない。
10 登記すべき事項につき会社に一定の分配可能額(会社法第四百六十一条第二項に規定する分配可能額をいう。)又は欠損の額が存在することを要するときは、申請書にその事実を証する書面を添付しなければならない。
11 資本準備金の額の減少によつてする資本金の額の増加による変更の登記(会社法第四百四十八条第三項に規定する場合に限る。)の申請書には、当該場合に該当することを証する書面を添付しなければならない。
登記申請例を見る(記述対策)
| 登記の事由 | 取締役及び代表取締役の変更 |
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| 登記すべき事項 | 令和〇年〇月〇日取締役A就任、令和〇年〇月〇日代表取締役A就任 |
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| 申請人 | 甲株式会社 |
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| 添付書面 | 株主総会議事録 1通 取締役会議事録 1通 就任承諾書(取締役) 1通 就任承諾書(代表取締役) 1通 印鑑証明書 1通 |
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| 登録免許税額 | 金3万円(資本金の額が1億円以下の会社は金1万円) |
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| 特記事項 | Aの就任承諾書に記載された氏名及び住所と同一の印鑑証明書を添付するため、Aの本人確認証明書の提供は要しない。 |
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令和9年(2027年)4月1日施行の法令を参考にしています。