⚠ ひっかけパターン:義務・任意の混同
- 1
相続開始+所有権取得を知る
- 2
相続人→法務局(登記所)
3年以内に登記申請(義務)
- 3
正当な理由なく怠ると10万円以下の過料
- ① どこが間違いか
- 「努めなければならない」という努力義務にすり替えている点が誤りで、正しくは法律上の申請義務である。
- ② なぜ間違いか
- 正しくは、相続による所有権移転登記の申請は単なる努力義務ではなく、法律上の申請義務である。不動産登記法76条の2第1項は「申請しなければならない」と規定しており、正当な理由なく申請を怠った場合には10万円以下の過料に処される可能性がある(不動産登記法164条1項)。所有者不明土地問題の解消を目的として義務化された制度であるため、努力義務にとどまるとする記述は誤りである。
- ③ 正しい記述
- 相続により不動産の所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内に、所有権移転の登記を申請しなければならない。
- ④ なぜこのルールがあるのか
- 相続登記が長年放置された結果、登記簿上の所有者が誰なのか分からない「所有者不明土地」が全国で増加し、公共事業や土地の有効活用の妨げとなってきました。そこで、相続登記を確実に行わせるために単なる呼びかけ(努力義務)ではなく、法律上の義務とし、違反には過料という制裁を設けることで実効性を持たせています。
🎯 試験での問われ方
「申請するよう努めなければならない」「申請することが望ましい」など努力義務・任意規定を装う言い回しで、法的義務であることをぼかす出題パターンに注意。数字(3年)は正しいまま、義務の強さだけをすり替えてくる肢が典型的である。
★ 覚え方:相続登記は「やってもいい」ではなく「やらなければいけない」。過料(お金の制裁)まで用意されている=努力義務ではなく法的義務、と覚える。
- 正しいルール
- 相続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内に、所有権移転の登記を申請しなければならない
- 根拠条文
- 不動産登記法76条の2第1項
不動産登記法76条の2の条文を見るe-Gov法令API取得
(相続等による所有権の移転の登記の申請)
所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、当該相続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により所有権を取得した者も、同様とする。
2 前項前段の規定による登記(民法第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分に応じてされたものに限る。次条第四項において同じ。)がされた後に遺産の分割があったときは、当該遺産の分割によって当該相続分を超えて所有権を取得した者は、当該遺産の分割の日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。
3 前二項の規定は、代位者その他の者の申請又は嘱託により、当該各項の規定による登記がされた場合には、適用しない。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。