⚠ ひっかけパターン:主体の入れ替え(「相手方が」を「自己が」にすり替え)
- ① どこが間違いか
- 「自己が履行に着手するまでの間」が誤り。正しくは「相手方(売主)が履行に着手するまでの間」である。
- ② なぜ間違いか
- 民法557条1項は、手付による解除が可能な時期について「相手方が契約の履行に着手するまでの間」と定めている。買主自身が履行に着手していても、相手方である売主がまだ履行に着手していなければ、買主は手付を放棄して解除できる。逆に、売主がすでに履行に着手していれば、買主はもはや手付による解除ができない。本問は「自己が」という表現に差し替えており、基準となる主体を誤って記述している。
- ③ 正しい記述
- 売買契約において買主が手付を交付した場合、買主は、相手方(売主)が履行に着手するまでの間は、手付を放棄して契約を解除することができる。
- ④ なぜこのルールがあるのか
- 手付による解除は、契約を自由に解消できる「逃げ道」として認められていますが、相手方がすでに準備を進めて損失を被るような状況になった後まで解除を認めると、相手方に不公平な損害を与えてしまいます。そこで、「相手方が履行に着手した後は解除できない」とすることで、双方の利益のバランスを保ち、取引の安定性を守る仕組みになっています。
★ 覚え方:「自分が動いたらダメ」ではなく「相手が動いたらダメ」と覚える。手付解除の限界は『相手方の履行着手』が基準!自分はもう動いていても関係なし。
- 正しいルール
- 手付による解除は、相手方が履行に着手するまでの間、買主は手付を放棄して、売主は手付の倍額を現実に提供して行うことができる
- 根拠条文
- 民法557条1項
民法557条の条文を見るe-Gov法令API取得
(手付)
買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。
2 第五百四十五条第四項の規定は、前項の場合には、適用しない。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。