⚠ ひっかけパターン:効果・結論の逆転
- 1
- 2
設定当時、土地上に建物なし
- 3
A(土地所有者)→A(土地所有者)
その後に建物を建築
- 4
- 5
法定地上権は原則成立しない
- ① どこが間違いか
- 抵当権設定当時に建物が存在していなかった場合であり、法定地上権は成立しない。
- ② なぜ間違いか
- 正しくは、法定地上権は成立しない。民法388条は、抵当権設定当時に土地上に建物が存在していたことを成立要件としており、更地に抵当権を設定した後に建物を建築しても、この要件を満たさないためである。判例(最判昭和36年2月10日等)も、抵当権設定当時に建物が存在しない場合には法定地上権は成立しないとしている。したがって本肢は結論が逆であり誤りである。
- ③ 正しい記述
- 抵当権設定当時に土地上に建物が存在せず更地であった場合、その後に建物を建築しても、当該建物のために法定地上権は成立しない。
- ④ なぜこのルールがあるのか
- 法定地上権の制度は、土地と建物の所有者が競売によって分離してしまった場合に、建物のための利用権(敷地を使う権利)がないまま建物を取り壊さざるを得なくなる不都合を避けるために設けられている。しかし、抵当権者は抵当権設定の時点で担保価値(土地の評価)を把握して融資しているため、設定後に勝手に建物が建てられて法定地上権という負担が土地に生じてしまうと、抵当権者が予期しない不利益を受けてしまう。そのため、抵当権設定当時に建物が存在していたことが厳格に要求されている。
抵当権設定当時の建物の有無と法定地上権
| 項目 | 設定当時に建物あり | 設定当時は更地 |
| 建物の存在 | 必要(充足) | 存在しない |
| 法定地上権 | 成立する | 原則不成立 |
★ 覚え方:「更地に抵当権=法定地上権は原則ナシ」と覚える。抵当権設定の『瞬間』にカメラのシャッターを切ったつもりで、そのとき建物が写っていなければ法定地上権は成立しないとイメージすると忘れにくい。
- 正しいルール
- 法定地上権が成立するには、抵当権設定当時に土地上に建物が存在し、かつ土地と建物が同一所有者に属していたことが必要である
- 根拠条文
- 民法388条
民法388条の条文を見るe-Gov法令API取得
(法定地上権)
土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合において、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。