⚠ ひっかけパターン:除外規定の無視
- ① どこが間違いか
- 相続による不動産の取得が非課税とされている点を無視し、課税されると断定している。
- ② なぜ間違いか
- 正しくは、相続による不動産の取得については不動産取得税は課されない。相続は被相続人の権利義務を包括的に承継するものであり、対価を伴う取引とは性質が異なるため、地方税法73条の7第1号により非課税とされている。なお、贈与や売買による取得の場合は原則どおり課税される点と区別する必要がある。
- ③ 正しい記述
- 相続により不動産を取得した場合、その取得者に対して不動産取得税は課されない。
- ④ なぜこのルールがあるのか
- 不動産取得税は、不動産の取引によって生じる資産の移転という事実に着目して課される税である。相続は本人の意思に基づく取引ではなく、被相続人の財産をそのまま引き継ぐものであるため、新たな担税力(税を負担できる余力)の発生とは言えず、政策的に非課税とされている。
取得原因による不動産取得税の課税可否
| 取得原因 | 課税の有無 | 根拠 |
| 売買・贈与 | 課税される | 原則課税 |
| 相続 | 課税されない | 地方税法73条の7第1号 |
| 法人の合併 | 課税されない | 地方税法73条の7第2号 |
🎯 試験での問われ方
「不動産の取得にはすべて不動産取得税が課される」のように、非課税規定(相続・法人の合併等)の存在を無視して一律課税と言い切る肢が頻出する。「相続」「合併」といったキーワードが出たら非課税を疑う癖をつけること。
★ 覚え方:「相続=タダで承継=取引ではない=不動産取得税なし」とセットで覚えると忘れにくい。売買・贈与・交換は課税、相続・法人の合併は原則非課税、と対比させて整理するのがコツ。
- 正しいルール
- 相続(包括遺贈及び被相続人から相続人に対してされた遺贈を含む)による不動産の取得については、不動産取得税は課されない
- 根拠条文
- 地方税法73条の7第1号
地方税法73条の7の条文を見るe-Gov法令API取得
(形式的な所有権の移転等に対する不動産取得税の非課税)
道府県は、次に掲げる不動産の取得に対しては、不動産取得税を課することができない。
一 相続(包括遺贈及び被相続人から相続人に対してなされた遺贈を含む。)による不動産の取得
二 法人の合併又は政令で定める分割による不動産の取得
二の二 法人が新たに法人を設立するために現物出資(現金出資をする場合における当該出資の額に相当する資産の譲渡を含む。)を行う場合(政令で定める場合に限る。)における不動産の取得
二の三 共有物の分割による不動産の取得(当該不動産の取得者の分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分の取得を除く。)
二の四 会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第百八十三条(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号。以下この号において「更生特例法」という。)第百四条又は第二百七十三条において準用する場合を含む。)、更生特例法第百三条第一項(更生特例法第三百四十六条において準用する場合を含む。)又は更生特例法第二百七十二条(更生特例法第三百六十三条において準用する場合を含む。)の規定により更生計画において株式会社、協同組織金融機関(更生特例法第二条第二項に規定する協同組織金融機関をいう。以下この号において同じ。)又は相互会社(更生特例法第二条第六項に規定する相互会社をいう。以下この号において同じ。)から新株式会社、新協同組織金融機関又は新相互会社に移転すべき不動産を定めた場合における新株式会社、新協同組織金融機関又は新相互会社の当該不動産の取得
三 委託者から受託者に信託財産を移す場合における不動産の取得(当該信託財産の移転が第七十三条の二第二項本文の規定に該当する場合における不動産の取得を除く。)
四 信託の効力が生じた時から引き続き委託者のみが信託財産の元本の受益者である信託により受託者から当該受益者(次のいずれかに該当する者に限る。)に信託財産を移す場合における不動産の取得
四の二 資産の流動化に関する法律第二条第十三項に規定する特定目的信託で次に掲げる要件の全てを満たすものの原委託者(同法第二百二十四条に規定する原委託者をいい、当該特定目的信託の効力が生じた時から引き続き委託者である者に限る。)が、当該特定目的信託の信託財産に属する不動産(同法第二条第十六項に規定する受託信託会社等が、当該特定目的信託の効力が生じた時に当該原委託者から当該特定目的信託の信託財産として取得したものであつて、当該原委託者に賃貸したものに限る。)を当該特定目的信託に係る信託契約の終了の時に買い戻す場合における当該不動産の取得
五 信託の受託者の変更があつた場合における新たな受託者による不動産の取得
五の二 相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)第四十六条第一項の規定による承認に基づき物納の許可があつた不動産をその物納の許可を受けた者に移す場合における不動産の取得
六 建物の区分所有等に関する法律第二条第三項の専有部分の取得に伴わない同条第四項の共用部分である家屋の取得(当該家屋の建築による取得を除く。)
七 保険業法の規定によつて会社がその保険契約の全部の移転契約に基づいて不動産を移転する場合における不動産の取得
八 譲渡により担保の目的となつている財産(以下この節において「譲渡担保財産」という。)により担保される債権の消滅により当該譲渡担保財産の設定の日から二年以内に譲渡担保財産の権利者(以下この節において「譲渡担保権者」という。)から譲渡担保財産の設定者(設定者が更迭した場合における新設定者を除く。以下この節において同じ。)に当該譲渡担保財産を移転する場合における不動産の取得
九 生産森林組合がその組合員となる資格を有する者から現物出資を受ける場合における土地の取得
十 削除
十一 沖縄振興開発金融公庫が沖縄振興開発金融公庫法(昭和四十七年法律第三十一号)第十九条第一項第三号に規定する業務で政令で定めるものを行う場合における不動産の取得
十二 独立行政法人住宅金融支援機構又は沖縄振興開発金融公庫の貸付金の回収に関連する不動産の取得(独立行政法人住宅金融支援機構又は沖縄振興開発金融公庫が建築中の住宅を取得し、建築工事を完了した住宅の取得を含む。)
十三 独立行政法人都市再生機構、独立行政法人中小企業基盤整備機構、地方住宅供給公社又は土地開発公社がその譲渡した不動産を当該不動産に係る譲渡契約の解除又は買戻し特約により取得する場合における当該不動産の取得
十四 農業協同組合又は農業協同組合連合会が農業協同組合法第七十条第一項の規定により権利を承継する場合における不動産の取得
十五 漁業協同組合、漁業生産組合若しくは漁業協同組合連合会又は水産加工業協同組合若しくは水産加工業協同組合連合会が水産業協同組合法第九十一条の二第一項(同法第百条第五項において準用する場合を含む。)の規定により権利を承継する場合における不動産の取得
十六 森林組合又は森林組合連合会が森林組合法(昭和五十三年法律第三十六号)第百八条の三第一項の規定により権利を承継する場合における不動産の取得
十七 農業共済組合が農業保険法第七十三条第二項の規定により権利を承継する場合における不動産の取得
十八 削除
十九 預金保険法第二条第十三項に規定する承継銀行(同法附則第十五条の二第三項の規定により承継銀行とみなされる同項に規定する承継協定銀行を含む。)が同法第九十一条第一項又は第二項の規定による同条第一項第二号に掲げる決定を受けて行う同法第二条第十二項に規定する被管理金融機関からの同条第十三項に規定する事業の譲受け等による不動産(同法第九十三条第二項の規定により当該承継銀行が保有する資産として適当であることの確認がされたものに限る。)の取得
二十 預金保険法第百二十六条の三十四第三項第五号に規定する特定承継金融機関等(同法附則第十五条の二第三項の規定により特定承継銀行とみなされる同項に規定する承継協定銀行を含む。)が同法第百二十六条の三十四第一項又は第二項の規定による同条第一項第二号に掲げる決定を受けて行う同法第百二十六条の三第二項に規定する特別監視金融機関等からの同法第百二十六条の三十四第一項に規定する特定事業譲受け等による不動産の取得
二十一 保険業法第二百六十条第六項に規定する承継保険会社が、保険契約者保護機構の同法第二百七十条の三の二第六項の規定による同項第二号の決定を受けて行う同法第二百六十条第二項に規定する破綻保険会社からの保険契約の移転による不動産の取得
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。