⚠ ひっかけパターン:除外規定の無視(「設定当時の従物にのみ及ぶ」と範囲を限定することで、設定後の従物を除外する誤りを仕込む)
- ① どこが間違いか
- 「抵当権設定後に付加された従物には及ばない」とした点が誤り。
- ② なぜ間違いか
- 民法370条は「抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産(抵当不動産)に付加して一体となっている物に及ぶ」と規定している。また、民法87条2項により従物は主物の処分に従うとされており、判例(最高裁)は、抵当権設定当時に存在した従物だけでなく、抵当権設定後に付加された従物にも抵当権の効力が及ぶと解している。したがって、設定後の従物であっても抵当権の効力は及ぶ。
- ③ 正しい記述
- 建物に抵当権を設定した場合、抵当権の効力は、抵当権設定当時に存在していた従物だけでなく、抵当権設定後に付加された従物にも及ぶ。
- ④ なぜこのルールがあるのか
- 抵当権は、担保として提供された不動産の経済的価値全体を把握することを目的とする権利です(担保物権の「把握主義」)。従物(主となる物に付属して、その効用を助ける物)を含む不動産全体の価値を抵当権者が確保できなければ、担保の意味が薄れてしまいます。そのため、抵当権設定後に追加された従物にも効力を及ぼすことで、抵当権者(お金を貸した側)の利益を保護し、取引の安全を図っています。
★ 覚え方:「抵当権の効力=付加一体物・従物すべてに及ぶ(設定前・設定後を問わない)」と覚えよう。果実(賃料など)は原則及ばないが、従物は設定後でもOK、という対比で整理すると混乱しにくい。
- 正しいルール
- 抵当権の効力は、抵当権設定当時に存在した従物だけでなく、抵当権設定後に付加された従物にも及ぶ。
- 根拠条文
- 民法370条、民法87条2項
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(抵当権の効力の及ぶ範囲)
抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産(以下「抵当不動産」という。)に付加して一体となっている物に及ぶ。ただし、設定行為に別段の定めがある場合及び債務者の行為について第四百二十四条第三項に規定する詐害行為取消請求をすることができる場合は、この限りでない。
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(主物及び従物)
物の所有者が、その物の常用に供するため、自己の所有に属する他の物をこれに附属させたときは、その附属させた物を従物とする。
2 従物は、主物の処分に従う。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。