⚠ ひっかけパターン:効果・結論の逆転
- 1
宅建業者A(売主)→買主B(一般消費者)
売買契約の締結
- 2
買主B(一般消費者)→宅建業者A(売主)
代金の2割超の手付交付
- 3
2割を超える部分の特約のみ無効(契約自体は有効)
- 4
Bは2割の範囲内で解約手付として解除可能
- ① どこが間違いか
- 契約全部が無効になるのではなく、代金の2割を超える部分の手付金の定めのみが無効となり、契約自体は有効に存続する。
- ② なぜ間違いか
- 正しくは、代金の2割を超える額の手付を定めた部分のみが無効となり、売買契約そのものは有効に存続する。宅地建物取引業法39条2項は「前項の規定に反する特約は、その超える部分について、無効とする」と規定しており、無効になるのは超過部分の特約だけである。したがって「契約の全部が無効」とする本問の記述は誤りである。
- ③ 正しい記述
- 宅地建物取引業者Aが自ら売主として宅地建物取引業者でないBとの間で売買契約を締結する場合、Aは代金の2割を超える手付金を受領してはならず、これに反する特約は、代金の2割を超える部分についてのみ無効となる(契約全体は有効に存続する)。
- ④ なぜこのルールがあるのか
- 手付金は売買契約締結時に買主から売主へ交付されるお金で、「解約手付」として機能する場合は買主が手付を放棄することで契約を解除できます。しかし手付金の額が高すぎると、実質的に買主の解除権が制限されてしまいます。そこで消費者保護の観点から、宅建業者が自ら売主となる場合には手付金の上限を代金の2割に制限し、業者による過大な手付の要求から一般消費者を守っています。また、仮に上限を超えても契約全体を無効にすると買主にも不利益が生じるため、超過部分のみ無効とする仕組みが採用されています。
手付金に関する2つのルールの比較
| ルール | 根拠条文 | 違反の効果 |
| 手付金額の上限(代金の2割) | 宅建業法39条 | 超過部分のみ無効 |
| 手付金等の保全措置 | 宅建業法41条・41条の2 | 保全なしに受領不可 |
★ 覚え方:「2割超の部分のみ無効、契約は生きている」と覚えよう。民法の一部無効(90条・91条の発想)と同じイメージ。「全部無効」という選択肢は宅建業法39条では登場しないと記憶しておくと本番で即座に×を付けられる。
- 正しいルール
- 宅建業者が自ら売主となる売買契約において、手付金の額は代金の2割を超えてはならず、これを超える部分の特約は無効となる(代金の2割を超える手付金の受領自体が禁止される)。
- 根拠条文
- 宅地建物取引業法39条1項・2項
宅地建物取引業法39条の条文を見るe-Gov法令API取得
(手付の額の制限等)
宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して、代金の額の十分の二を超える額の手付を受領することができない。
2 宅地建物取引業者が、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して手付を受領したときは、その手付がいかなる性質のものであつても、買主はその手付を放棄して、当該宅地建物取引業者はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。
3 前項の規定に反する特約で、買主に不利なものは、無効とする。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。