⚠ ひっかけパターン:効果・結論の逆転(旧法の絶対効ルールを現行法の場面に適用)
- 1
A・B・CがDに対し300万円の連帯債務を負う
- 2
- 3
免除の効力は相対効(民法441条)
- 4
連帯債務者B・C→債権者D
B・Cは300万円全額の債務を負い続ける
- ① どこが間違いか
- 免除の効力を絶対効として扱っている点が誤りで、現行民法では免除は相対効であり他の連帯債務者には影響しない。
- ② なぜ間違いか
- 正しくは、連帯債務者の一人に対する免除は相対的効力しか生じず、B及びCはDに対して全額の債務を負い続ける。民法441条は、連帯債務において債権者と連帯債務者の一人との間に生じた事由は、別段の意思表示がない限り他の連帯債務者に効力を及ぼさないと定めている。旧法(2020年施行の改正前民法)では免除・混同は絶対効とされていたが、改正により免除は相対効に改められた点が本問のひっかけである。
- ③ 正しい記述
- DがAに対して債務を免除しても、B及びCはDに対して300万円全額の連帯債務を負い続ける(免除の効力はAとの関係でのみ生じる)。
- ④ なぜこのルールがあるのか
- 連帯債務は複数の債務者がそれぞれ独立した債務を負っているという考え方が現行民法の基本である。債権者が特定の債務者と個別に免除の合意をした場合に、それが自動的に他の債務者にも及んでしまうと、債権者が意図しない不利益を受けかねない。そこで原則として効力を相対的(その人だけ)に限定することで、債権者の権利と当事者間の意思を尊重している。
連帯債務における絶対効と相対効の分類
| 事由 | 旧法(改正前) | 現行民法 |
| 弁済・相殺 | 絶対効 | 絶対効 |
| 免除 | 絶対効 | 相対効 |
| 時効の完成 | 絶対効 | 相対効 |
🎯 試験での問われ方
『連帯債務者の一人に対する免除は、他の連帯債務者にもその負担部分について効力が及ぶ』という旧法のルールをそのまま現行法の場面として出題し、受験者に『絶対効』と誤答させる文型が典型である。
★ 覚え方:「弁済・相殺・更改・混同」は絶対効、それ以外(免除・時効の完成など)は相対効、とセットで覚える。改正民法で『免除は絶対効から相対効に変わった』点が頻出ポイント。
- 正しいルール
- 連帯債務者の一人に対する債務の免除は、原則として他の連帯債務者に対して効力を及ぼさない(相対効)
- 根拠条文
- 民法441条
民法441条の条文を見るe-Gov法令API取得
(相対的効力の原則)
第四百三十八条、第四百三十九条第一項及び前条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。