⚠ ひっかけパターン:義務・任意の混同
🔍 議会議決に対する再議の流れ
議会
長(市長等)
再議に付す
議会が再度可決
✅ 結論:条例・予算の再議決には出席議員の3分の2以上の同意が必要
⚠=ひっかけポイント(試験で狙われる箇所)
- ① どこが間違いか
- 「再議に付さなければならない」という義務規定の部分と、条例・予算の再議決要件を「過半数の同意」とした部分が誤り。実際には再議に付すかどうかは長の任意(できる)であり、再議決の要件は出席議員の3分の2以上の同意である
- ② なぜ間違いか
- 地方自治法176条1項は、議会の議決について異議があるときは長が理由を示して再議に付す「ことができる」と定めており、義務ではなく長の裁量(任意)とされている。また同条3項は、条例の制定改廃又は予算に関する議決について再度これを可決するには、出席議員の3分の2以上の者の同意が必要と定めており、単純な過半数では足りない。過半数のみで覆せるとすると、長の異議の重みが軽視され、慎重な再議決を求める趣旨に反する
- ③ 正しい記述
- 普通地方公共団体の議会の議決について異議がある長は、その議決の日から10日以内に理由を示してこれを再議に付することができる。この場合において、当該議決が条例の制定改廃又は予算に関するものであるときは、議会が再度これを可決するには出席議員の3分の2以上の者の同意が必要である。
⚖ 対比で覚える:一般再議と条例・予算に関する再議の対比
| 一般の議決の再議 | 条例・予算に関する再議 |
| 再議に付すか否か | 長の任意(できる) | 長の任意(できる) |
| 再度可決の要件 | 出席議員の過半数 | 出席議員の3分の2以上 |
| 根拠条文 | 地方自治法176条1項・2項 | 地方自治法176条1項・3項 |
💡 なぜそのルールがあるのか議会と長という二元代表制のもとで、長に議会の議決に対する異議申立ての機会を認めつつ、条例・予算という重要事項については安易に覆されないよう加重要件(3分の2以上)を課すことで、議会の意思決定の安定性と長のチェック機能とのバランスを図る趣旨である
📌 覚え方のコツ「再議はできる(任意)」「条例・予算は3分の2で押し返す」とセットで覚える。長が『待った』をかけても、議会は『3分の2』の結束があれば押し切れる、とイメージすると覚えやすい
🎯 試験での問われ方この論点は「再議に付さなければならない(義務)」と「過半数の同意で足りる」のように、任意規定を義務規定に、加重要件を通常要件に置き換える形で出題されやすい
- 正しいルール
- 普通地方公共団体の議会の議決について異議があるときは、長は理由を示してこれを再議に付することができ、再議に付された議決が条例の制定改廃・予算に関するものについて再度可決するには出席議員の3分の2以上の同意が必要である
- 根拠条文
- 地方自治法176条1項、地方自治法176条3項
地方自治法176条の条文を見るe-Gov法令API取得
普通地方公共団体の議会の議決について異議があるときは、当該普通地方公共団体の長は、この法律に特別の定めがあるものを除くほか、その議決の日(条例の制定若しくは改廃又は予算に関する議決については、その送付を受けた日)から10日以内に理由を示してこれを再議に付することができる。
2 前項の規定による議会の議決が再議に付された議決と同じ議決であるときは、その議決は、確定する。
3 前項の規定による議決のうち条例の制定若しくは改廃又は予算に関するものについては、出席議員の3分の2以上の者の同意がなければならない。
4 普通地方公共団体の議会の議決又は選挙がその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、当該普通地方公共団体の長は、理由を示してこれを再議に付し又は再選挙を行わせなければならない。
5 前項の規定による議会の議決又は選挙がなおその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、都道府県知事にあつては総務大臣、市町村長にあつては都道府県知事に対し、当該議決又は選挙があつた日から21日以内に、審査を申し立てることができる。
6 前項の規定による申立てがあつた場合において、総務大臣又は都道府県知事は、審査の結果、議会の議決又は選挙がその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、当該議決又は選挙を取り消す旨の裁定をすることができる。
7 前項の裁定に不服があるときは、普通地方公共団体の議会又は長は、裁定のあつた日から60日以内に、裁判所に出訴することができる。
8 前項の訴えのうち第4項の規定による議会の議決又は選挙の取消しを求めるものは、当該議会を被告として提起しなければならない。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。