⚠ ひっかけパターン:条件・状態の混同(有限責任社員のみの類型に無限責任社員の性質を混同)
🔍 合資会社の社員構成
合資会社
無限責任社員
有限責任社員
会社債権者
✅ 結論:合資会社は無限責任社員と有限責任社員が併存する会社類型である
⚠=ひっかけポイント(試験で狙われる箇所)
- ① どこが間違いか
- 「いずれも」「有限責任のみ」「無限責任を負う社員が存在することは認められていない」という部分が誤り。合資会社は無限責任社員と有限責任社員の両方が必ず存在する会社類型である。
- ② なぜ間違いか
- 会社法576条3項により、合資会社は無限責任社員と有限責任社員の両方を置くことが定款の必要的記載事項とされている。したがって合資会社の社員全員が有限責任のみを負うという記述は誤りであり、無限責任社員は会社の債務について直接・連帯・無限の責任を負う(会社法580条1項)。持分会社のうち社員全員が有限責任社員のみで構成されるのは合同会社である(会社法576条4項、580条2項)。
- ③ 正しい記述
- 合資会社の社員は、無限責任社員と有限責任社員の両方から構成され、無限責任社員は会社の債務について直接連帯無限の責任を負い、有限責任社員は出資の価額を限度とする責任を負うにとどまる。
⚖ 対比で覚える:持分会社3類型における社員の責任
| 合名会社 | 合資会社 |
| 社員構成 | 無限責任社員のみ | 無限責任社員+有限責任社員 |
| 責任の範囲 | 全員が直接連帯無限責任 | 無限責任社員は無限、有限責任社員は出資額限度 |
| 最低社員数 | 1名以上 | 各種類1名以上(計2名以上) |
💡 なぜそのルールがあるのか合資会社は、経営・出資両面で会社を支える無限責任社員と、出資のみを行い責任を限定したい有限責任社員という異なる立場の者が共同で事業を行うことを認めるための会社類型であり、両者の存在が制度の本質である。
📌 覚え方のコツ「合名=全員無限」「合同=全員有限」「合資=名前のとおり“資”(出資)する有限責任者と、経営を担う無限責任者が合わさった会社」と覚える。合資会社だけが2種類の社員が混在する点が最大の特徴。
🎯 試験での問われ方持分会社3類型のうち、合資会社は「社員が全員同じ責任」と誤って一般化する形で出題されやすい。合名=全員無限、合同=全員有限、合資=両方混在、という対比を正確に押さえておくこと。
- 正しいルール
- 合資会社は無限責任社員と有限責任社員の両方で構成され、有限責任社員は出資の価額を限度として責任を負う
- 根拠条文
- 会社法576条1項5号、576条2項、576条3項、580条1項、580条2項
会社法576条の条文を見るe-Gov法令API取得
(定款の記載又は記録事項)
持分会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
一 目的
二 商号
三 本店の所在地
四 社員の氏名又は名称及び住所
五 社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別
六 社員の出資の目的(有限責任社員にあっては、金銭等に限る。)及びその価額又は評価の標準
2 設立しようとする持分会社が合名会社である場合には、前項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。
3 設立しようとする持分会社が合資会社である場合には、第一項第五号に掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。
4 設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、第一項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。