⚠ ひっかけパターン:主体の入れ替え
- ① どこが間違いか
- 「本人の代理人も当然に行うことができる」という部分が誤り。開示請求の主体はあくまで「本人」であり、代理人が本人と「同等の権限として当然に」請求できると断言している点がひっかけ。
- ② なぜ間違いか
- 個人情報の保護に関する法律33条1項は、保有個人データの開示を請求できる主体を「本人」と規定している。代理人による開示請求が認められる場合はあるが、これは同法施行令に定める方法により本人からの委任等を証明した場合に限られ、「本人と同等の権限として当然に」請求できるわけではない。代理人が何ら手続を経ずに当然に開示請求できるとすれば、第三者が本人の個人情報を不正に取得する手段に悪用されるおそれがあるため、代理人による請求には本人の授権を証明する手続が必要とされている。
- ③ 正しい記述
- 保有個人データの開示請求を行えるのは「本人」であり、代理人が請求を行う場合には、本人からの委任があることを証明する所定の手続を経ることが必要であって、代理人が当然に本人と同等の権限として請求できるわけではない。
💡 なぜそのルールがあるのか開示請求の主体を「本人」に限定しているのは、本人だけが自己の個人情報について正当な利益を有しており、第三者が容易に他人の個人情報にアクセスできないようにするためである。本人の権利として個人情報をコントロールする自己情報コントロール権を実効的に保護するための規定である。
📌 覚え方のコツ「開示請求=本人が主役」と覚える。代理人は「主役の許可証(委任証明)を持って初めて舞台に上がれる脇役」。許可証なしに当然に舞台には上がれない、と具体的にイメージすると覚えやすい。
- 正しいルール
- 保有個人データの開示請求は本人のみが行うことができ、本人は書面の交付による方法のほか、政令で定める方法による開示を請求することができる
- 根拠条文
- 個人情報の保護に関する法律33条1項、個人情報の保護に関する法律33条2項
個人情報の保護に関する法律33条の条文を見るe-Gov法令API取得
(開示)
本人は、個人情報取扱事業者に対し、当該本人が識別される保有個人データの電磁的記録の提供による方法その他の個人情報保護委員会規則で定める方法による開示を請求することができる。
2 個人情報取扱事業者は、前項の規定による請求を受けたときは、本人に対し、同項の規定により当該本人が請求した方法(当該方法による開示に多額の費用を要する場合その他の当該方法による開示が困難である場合にあっては、書面の交付による方法)により、遅滞なく、当該保有個人データを開示しなければならない。ただし、開示することにより次の各号のいずれかに該当する場合は、その全部又は一部を開示しないことができる。
一 本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合
二 当該個人情報取扱事業者の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合
三 他の法令に違反することとなる場合
3 個人情報取扱事業者は、第一項の規定による請求に係る保有個人データの全部若しくは一部について開示しない旨の決定をしたとき、当該保有個人データが存在しないとき、又は同項の規定により本人が請求した方法による開示が困難であるときは、本人に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。
4 他の法令の規定により、本人に対し第二項本文に規定する方法に相当する方法により当該本人が識別される保有個人データの全部又は一部を開示することとされている場合には、当該全部又は一部の保有個人データについては、第一項及び第二項の規定は、適用しない。
5 第一項から第三項までの規定は、当該本人が識別される個人データに係る第二十九条第一項及び第三十条第三項の記録(その存否が明らかになることにより公益その他の利益が害されるものとして政令で定めるものを除く。第三十七条第二項において「第三者提供記録」という。)について準用する。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。