⚠ ひっかけパターン:要件の追加・削除(口頭による処分でも職権で当然に教示義務が生じるかのように記述)
処分庁(行政庁)
口頭による処分
処分の相手方
教示の求め
⚠=ひっかけポイント(試験で狙われる箇所)
- ① どこが間違いか
- 「口頭でする場合においても、処分をする際に……教示しなければならない」という部分が誤り。口頭による処分の場合は、相手方から求められた場合に限り教示義務が生じる(職権による当然の教示義務はない)。この「求められた場合に限り」という要件を削除している点がひっかけ。
- ② なぜ間違いか
- 行政不服審査法82条1項は、審査請求をすることができる処分を書面でする場合に、処分の相手方に対して教示(審査請求先・不服申立期間等の告知)を書面でしなければならないと定めている。一方、行政不服審査法82条2項は、口頭でする処分については「利害関係人から教示を求められたときは」口頭で教示しなければならないと定めており、口頭処分の場合は相手方からの求めがあった場合にのみ義務が発生する仕組みになっている。本問は書面処分・口頭処分の違いを無視して、口頭処分にも当然に職権的な教示義務があるかのように記述しており誤りである。
- ③ 正しい記述
- 行政庁は、審査請求をすることができる処分を口頭でする場合において、当該処分の相手方から教示を求められたときは、当該処分の相手方に対し、審査請求をすることができる旨並びに審査請求をすべき行政庁及び審査請求期間を口頭で教示しなければならない。
⚖ 対比で覚える:書面による処分と口頭による処分の教示義務の違い
| 書面による処分(82条1項) | 口頭による処分(82条2項) |
| 教示のタイミング | 処分をする際(職権・当然) | 相手方から求められたとき(受動的) |
| 教示の形式 | 書面で教示 | 口頭で教示 |
| 求めの要否 | 不要(職権で行う) | 必要(求めがなければ義務なし) |
| 教示内容 | 審査請求先・審査請求期間等 | 審査請求先・審査請求期間等(同内容) |
💡 なぜそのルールがあるのか教示制度は、処分の相手方が不服申立ての手段を知らないために権利救済の機会を逸することを防ぐための制度である。書面処分は記録として残るため職権による教示が義務付けられるが、口頭処分は行政事務の機動性を確保する必要があるため、相手方からの求めがある場合に限定して義務を課すバランスが採られている。
📌 覚え方のコツ「書面処分=勝手に(職権で)教示」「口頭処分=求められたら(受動的に)教示」と対比して覚える。書面はそもそも文字で残るからこそ、当然に教示内容も書面で伝える義務がある。口頭はその場限りなので、「教えて」と言われて初めて義務が生じるイメージ。
🎯 試験での問われ方「口頭による処分でも当然に教示義務がある」という形で口頭・書面の区別を曖昧にする出題パターンが典型的。また「教示の求めは書面によらなければならない」という誤りも頻出なので、口頭で求められれば足りる点も合わせて押さえておくこと。
- 正しいルール
- 行政庁が書面で不服申立てができる処分を行う場合、当該処分の相手方に対して審査請求先・不服申立期間等を書面で教示しなければならない。口頭で処分を行う場合は、相手方から求められた場合に限り、教示する義務が生じる。
- 根拠条文
- 行政不服審査法82条1項、行政不服審査法82条2項
行政不服審査法82条の条文を見るe-Gov法令API取得
(不服申立てをすべき行政庁等の教示)
行政庁は、審査請求若しくは再調査の請求又は他の法令に基づく不服申立て(以下この条において「不服申立て」と総称する。)をすることができる処分をする場合には、処分の相手方に対し、当該処分につき不服申立てをすることができる旨並びに不服申立てをすべき行政庁及び不服申立てをすることができる期間を書面で教示しなければならない。ただし、当該処分を口頭でする場合は、この限りでない。
2 行政庁は、利害関係人から、当該処分が不服申立てをすることができる処分であるかどうか並びに当該処分が不服申立てをすることができるものである場合における不服申立てをすべき行政庁及び不服申立てをすることができる期間につき教示を求められたときは、当該事項を教示しなければならない。
3 前項の場合において、教示を求めた者が書面による教示を求めたときは、当該教示は、書面でしなければならない。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。