⚠ ひっかけパターン:義務・任意の混同
- ① どこが間違いか
- 「修繕の催告をしなければならない」とする点が誤りである。目的を達することができない場合の賃借人の解除に、事前の催告は不要である。
- ② なぜ間違いか
- 民法611条2項は、賃借物の一部滅失等により賃借の目的を達することができない場合、賃借人は契約を解除することができると定めているが、同条はその解除に先立つ催告を要件としていない。目的不達成の場合は当然に解除を認める趣旨であり、催告義務を課す規定は存在しない。修繕義務の催告(民法607条の2)はあくまで賃借人が自ら修繕することができる場面の手続であり、解除権行使の前提条件ではない。
- ③ 正しい記述
- 賃借物の一部が賃借人の責めに帰することができない事由によって滅失し、その残存する部分のみでは賃借人が賃借をした目的を達することができない場合、賃借人は、賃貸人への修繕の催告をすることなく、賃貸借契約を解除することができる(民法611条2項)。
- 正しいルール
- 賃借人は、賃貸人が修繕義務を履行しない場合、自ら修繕することができ(民法607条の2)、また、使用収益ができなくなった割合に応じて賃料が当然に減額される(民法611条1項)
- 根拠条文
- 民法607条の2、民法611条1項
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(賃借人による修繕)
賃借物の修繕が必要である場合において、次に掲げるときは、賃借人は、その修繕をすることができる。
一 賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき。
二 急迫の事情があるとき。
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(賃借物の一部滅失等による賃料の減額等)
賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される。
2 賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、残存する部分のみでは賃借人が賃借をした目的を達することができないときは、賃借人は、契約の解除をすることができる。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。