⚠ ひっかけパターン:除外規定・例外の無視
- ① どこが間違いか
- 「いかなる場合であっても」先の遺言は効力を回復しないと読める点が誤り。民法1025条ただし書きによる例外(錯誤・詐欺・強迫による撤回取消しの場合の効力回復)を無視している。
- ② なぜ間違いか
- 民法1025条本文は、撤回された遺言はその効力を回復しないと定めている。これは遺言者が一度撤回を決めた意思を尊重するためである。しかし同条ただし書では、その撤回行為が錯誤・詐欺・強迫によって取り消された場合には、例外的に先の遺言が効力を回復すると定めている。たとえば、詐欺にだまされて遺言を撤回させられた場合に、その撤回行為を取り消せば元の遺言が生き返るのは、遺言者の真意に沿う結果となるからである。問題文は「効力を回復しない」という原則のみを述べ、このただし書の例外を無視している点が誤りである。なお、単に「撤回行為を撤回」しただけ(取消しではなく再撤回)では先の遺言は回復しない(民法1022条・1025条本文)。
- ③ 正しい記述
- 遺言者が適法に遺言を撤回した場合において、その後さらに当該撤回行為を撤回したときは、先の遺言は原則として効力を回復しないが、撤回行為が錯誤・詐欺・強迫によって取り消された場合は、撤回された遺言はその効力を回復する(民法1025条ただし書)。
- 正しいルール
- 撤回された遺言の効力は原則として回復しないが、その撤回行為が錯誤・詐欺・強迫によって取り消された場合には、撤回された遺言は効力を回復する
- 根拠条文
- 民法1022条、民法1025条
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(遺言の撤回)
遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。
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(撤回された遺言の効力)
前三条の規定により撤回された遺言は、その撤回の行為が、撤回され、取り消され、又は効力を生じなくなるに至ったときであっても、その効力を回復しない。ただし、その行為が錯誤、詐欺又は強迫による場合は、この限りでない。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。