⚠ ひっかけパターン:条件・状態の混同(有限責任社員の責任範囲を無限責任社員のように拡大する)
- ① どこが間違いか
- 「連帯して当該債務を弁済する責任を負う」という部分が誤り。合同会社の社員は有限責任社員であり、会社債権者に対して直接弁済責任を負わない点が試験のひっかけ。この直接弁済責任(無限責任)は合名会社・合資会社の無限責任社員にのみ認められる制度である。
- ② なぜ間違いか
- 会社法580条1項は、合名会社・合資会社の無限責任社員について、会社財産で債務を完済できない場合に連帯して弁済する責任を定めている。一方、同条2項は有限責任社員を同条1項の適用から除外しており、合同会社の社員は全員が有限責任社員(会社法576条4項)であるため、会社債権者に対して直接の弁済責任を負わない。合同会社の社員の責任は、未履行の出資義務の範囲(出資を履行していない場合)に限られ、会社の債務そのものを直接弁済する義務はない。
- ③ 正しい記述
- 合同会社の社員は全員が有限責任社員であり、会社の財産をもって債務を完済できない場合であっても、会社債権者に対して連帯して弁済する責任を負わない。直接弁済責任(無限責任)は、合名会社・合資会社の無限責任社員にのみ認められる。
💡 なぜそのルールがあるのか合同会社は、有限責任という形で社員のリスクを限定することで、事業への参入を促進し、起業・ベンチャー投資を活発化させるために設けられた制度である。社員が出資額を超えて個人財産でも責任を負う仕組みにしてしまうと、合同会社を選択するメリットが失われるため、直接弁済責任を負わないこととされている。
📌 覚え方のコツ持分会社の責任を「会社の種類と責任」で表に整理して覚えよう。
【合名会社】→ 全員が無限責任社員(直接・連帯・無限)
【合資会社】→ 無限責任社員+有限責任社員(混在)
【合同会社】→ 全員が有限責任社員(直接弁済なし)
語呂:「合同なら、みんな安全・有限の壁」。合同会社は株式会社と同様に「有限責任」と覚える。株式会社=株主は有限、合同会社=社員も有限、と対比すると混乱しにくい。
- 正しいルール
- 合同会社の社員は全員が有限責任社員であり、会社債権者に対して直接責任を負わない
- 根拠条文
- 会社法576条4項、会社法580条1項・2項
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(定款の記載又は記録事項)
持分会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
一 目的
二 商号
三 本店の所在地
四 社員の氏名又は名称及び住所
五 社員が無限責任社員又は有限責任社員のいずれであるかの別
六 社員の出資の目的(有限責任社員にあっては、金銭等に限る。)及びその価額又は評価の標準
2 設立しようとする持分会社が合名会社である場合には、前項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を無限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。
3 設立しようとする持分会社が合資会社である場合には、第一項第五号に掲げる事項として、その社員の一部を無限責任社員とし、その他の社員を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。
4 設立しようとする持分会社が合同会社である場合には、第一項第五号に掲げる事項として、その社員の全部を有限責任社員とする旨を記載し、又は記録しなければならない。
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(社員の責任)
社員は、次に掲げる場合には、連帯して、持分会社の債務を弁済する責任を負う。
一 当該持分会社の財産をもってその債務を完済することができない場合
二 当該持分会社の財産に対する強制執行がその効を奏しなかった場合(社員が、当該持分会社に弁済をする資力があり、かつ、強制執行が容易であることを証明した場合を除く。)
2 有限責任社員は、その出資の価額(既に持分会社に対し履行した出資の価額を除く。)を限度として、持分会社の債務を弁済する責任を負う。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。