次の選択肢は誤りです。
どこが・なぜ間違いか考えてください。
民衆訴訟とは、国又は公共団体の機関の法規に適合しない行為の是正を求める訴訟で、選挙人たる資格その他自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起するものをいい、個別の法律に特段の定めがなくても、行政事件訴訟法の規定に基づき、何人もこれを提起することができる。
まず自分で図を描いてから開くと、読解の練習になります
論点行政法 - 行政事件訴訟法における客観訴訟(民衆訴訟・機関訴訟)と準用規定
✅ 結論:民衆訴訟は法律が定めた場合・定めた者に限り提起できる
| 民衆訴訟(5条) | 機関訴訟(6条) | |
|---|---|---|
| 争いの性質 | 機関の違法行為の是正 | 機関相互間の権限の存否等 |
| 提起する者 | 選挙人等の資格で提起 | 国又は公共団体の機関 |
| 自己の法律上の利益 | 関係しない資格で提起 | 機関としての争い |
| 提起の根拠 | 法律に定める場合に限る | 法律に定める場合に限る |
| 典型例 | 住民訴訟・選挙訴訟 | 地方自治法上の議会等の争い |
民衆訴訟や機関訴訟は、個人の権利利益の救済ではなく行政の適法性の確保を目的とする客観訴訟であり、裁判所の本来の権限である『法律上の争訟』(裁判所法3条1項)の枠を超える。濫訴を防ぎ、裁判所の権限の範囲を明確にするため、立法政策として法律が特に認めた場合に限定されている。
「客観訴訟は法律のお許しがあってはじめて提起できる」と覚える。主観訴訟(取消訴訟など)は『自分の権利のため』なので原則として誰でも出発点に立てるが、客観訴訟は『みんなのため』なので、法律が『この場面で、この人だけ』と決めた範囲でしか認められない、というイメージで区別する。条文は5条(定義)と42条(提起の制限)をセットで押さえる。
「何人も」「個別の法律の定めがなくても」といった断定・拡大表現を付けて、法定主義(42条)を無視させる形で出題されやすい。定義(5条)の正しい文言に誤りの結論を混ぜる手口に注意。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。
過去の回は月ごとにまとめ、法令・判例に照らして加筆・修正のうえ電子書籍にしています。