⚠ ひっかけパターン:要件の追加・削除
🔍 営造物責任の構造
道路管理者(市)
被害者Aさん
✅ 結論:管理者の過失がなくても瑕疵があれば賠償責任を負う
⚠=ひっかけポイント(試験で狙われる箇所)
- ① どこが間違いか
- 「その瑕疵の発生について過失があったときに限り」という部分が誤り。この「限り」が試験のひっかけワードで、2条1項には過失の要件が存在しない。
- ② なぜ間違いか
- 国家賠償法2条1項は「国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる」と定めるのみで、公務員の故意・過失を要件としていない。つまり営造物責任は無過失責任であり、管理者に落ち度がなかったとしても、営造物が通常有すべき安全性を欠いていた(瑕疵がある)と認められれば責任を負う。これに対し、公権力の行使に基づく1条1項は「故意又は過失」を要件とする過失責任である。例えば、道路に落石防止の設備がなく通行人が負傷した場合、管理者が危険を知らなかったとしても、安全性の欠如が認められれば賠償責任が生じる。
- ③ 正しい記述
- 道路その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったために他人に損害が生じた場合、国又は公共団体は、過失の有無を問わず、国家賠償法2条1項に基づく損害賠償責任を負う。
⚖ 対比で覚える:国家賠償法1条1項と2条1項の違い
| 1条1項(公権力の行使) | 2条1項(営造物の瑕疵) |
| 責任の対象 | 公務員の違法な行為 | 営造物の設置・管理の瑕疵 |
| 過失の要否 | 故意又は過失が必要 | 過失は不要(無過失) |
| 責任の性質 | 代位責任(通説・判例) | 自己責任 |
| 求償の相手方 | 故意・重過失ある公務員 | 原因者がいる場合のみ |
💡 なぜそのルールがあるのか営造物は不特定多数の者が利用する危険性を伴う施設であり、その危険を管理する国又は公共団体に、被害者救済の観点から結果責任に近い厳格な責任を負わせることで、被害者の立証負担を軽減し、安全管理を徹底させるため。
📌 覚え方のコツ「1条は人(公務員)の行為だから過失が必要、2条は物(営造物)の状態だから過失は不要」と、「人は過失、物は無過失」で覚える。1条=人の行為=過失責任、2条=物の瑕疵=無過失責任という対比で整理するとよい。
🎯 試験での問われ方「営造物責任にも過失が必要」と、1条1項の過失責任の要件を2条1項に混入させる形で出題されやすい。また、1条と2条の要件の対比を問う肢の形でも出る。
- 正しいルール
- 国家賠償法2条1項の営造物の設置又は管理の瑕疵に基づく責任は、国又は公共団体の過失の有無を問わない無過失責任である
- 根拠条文
- 国家賠償法1条1項、国家賠償法2条1項
国家賠償法1条の条文を見るe-Gov法令API取得
国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
2 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。
国家賠償法2条の条文を見るe-Gov法令API取得
道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。
2 前項の場合において、他に損害の原因について責に任ずべき者があるときは、国又は公共団体は、これに対して求償権を有する。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。