⚠ ひっかけパターン:要件の追加・削除(求償要件を「故意又は重大な過失」から「故意又は過失」へ拡大)
🔍 国家賠償と求償の流れ
被害者
国又は公共団体
加害公務員
✅ 結論:求償できるのは故意又は重大な過失の場合のみ
⚠=ひっかけポイント(試験で狙われる箇所)
- ① どこが間違いか
- 「故意又は過失があったとき」という部分が誤り。正しくは「故意又は重大な過失があったとき」であり、軽過失の場合は求償できない。『重大な』の一語を落とした点が試験のひっかけである。
- ② なぜ間違いか
- 国家賠償法1条2項は、求償できる場合を「公務員に故意又は重大な過失があったとき」に限定している。軽過失にとどまる公務員に対しては求償できない。公務員が職務の遂行に萎縮しないようにするためである。たとえば、通常の注意をやや欠いた程度の軽いミスで公務員が国や自治体から賠償金の返還を求められるとすれば、職員は責任追及をおそれて必要な判断や行動を控えてしまうおそれがある。なお、故意=わざと、重過失=著しい不注意であり、責任が重い場合に限って公務員個人の負担を認めるという考え方が根底にある。
- ③ 正しい記述
- 国家賠償法1条1項に基づき被害者に損害を賠償した国又は公共団体は、加害行為をした公務員に故意又は重大な過失があったときは、その公務員に対して求償権を有する。
⚖ 対比で覚える:国家賠償法1条1項と2項の要件の違い
| 1条1項(被害者への賠償) | 1条2項(公務員への求償) |
| 主観的要件 | 公務員の故意又は過失 | 公務員の故意又は重大な過失 |
| 請求の相手方 | 国又は公共団体 | 加害行為をした公務員 |
| 請求する者 | 被害者 | 賠償した国又は公共団体 |
💡 なぜそのルールがあるのか公務員の職務遂行上の萎縮を防ぎ、適正な公務の執行を確保するとともに、被害者救済を国・公共団体が担いつつ、悪質な場合にのみ公務員個人に責任を負わせて公正を図るためである。
📌 覚え方のコツ求償は「わざと」か「よっぽどのうっかり」だけ。「軽いミスは国が背負う」と覚える。条文の対比では、1項(被害者への賠償)は「故意又は過失」、2項(公務員への求償)は「故意又は重大な過失」。『2項になると“重大な”が付いて条件が厳しくなる』と覚えるとよい。
🎯 試験での問われ方「故意又は過失」と「故意又は重大な過失」を入れ替え、1項の要件と2項の要件を混同させる形で出題されやすい。
- 正しいルール
- 国又は公共団体が公務員に求償できるのは、当該公務員に故意又は重大な過失があったときに限られる
- 根拠条文
- 国家賠償法1条2項
国家賠償法1条の条文を見るe-Gov法令API取得
国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
2 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。