⚠ ひっかけパターン:要件の追加・削除(事前説明義務の省略を許容する誤り)
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説明を怠ると更新なしの定めは無効→普通賃貸借とみなす
- ① どこが間違いか
- 契約書自体が書面であることと、契約前の事前説明書面の交付義務は別個の要件であるのに、これを同一視して事前説明を不要としている点が誤りである。
- ② なぜ間違いか
- 正しくは、契約書面の作成とは別に、貸主は契約締結前に借主へ更新がない旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。借地借家法38条2項はこの説明義務を独立して定めており、契約書が公正証書等の書面であることをもって省略できるとする規定は存在しない。この説明を怠った場合、同条3項により契約の更新がない旨の定めは無効となり、当該賃貸借は期間の定めのある普通建物賃貸借契約として扱われることになる。
- ③ 正しい記述
- 定期建物賃貸借契約を締結する場合、貸主は契約書面の作成に加えて、あらかじめ借主に対し契約の更新がなく期間の満了により賃貸借が終了する旨を記載した書面を交付して説明しなければならず、この説明を怠ったときは契約の更新がない旨の定めは無効となる。
- ④ なぜこのルールがあるのか
- 定期建物賃貸借は、通常の賃貸借と異なり期間満了で契約が必ず終了し、借主が更新を求めることができない特殊な契約である。借主がこの重大な不利益に気づかないまま契約してしまうことを防ぐため、法律は契約書面の作成とは別に、借主への事前説明を貸主の義務として課している。
定期建物賃貸借と普通建物賃貸借の比較
| 項目 | 定期建物賃貸借 | 普通建物賃貸借 |
| 契約方式 | 書面(電磁的記録可) | 書面不要(口頭可) |
| 事前説明書面 | 交付・説明が必要 | 不要 |
| 更新 | なし(期間満了で終了) | 原則あり(正当事由必要) |
🎯 試験での問われ方
「契約書を公正証書で作成していれば足りる」「口頭の説明で足りる」など、事前説明義務を契約書面性に吸収させる誤り選択肢が頻出する。また『説明を怠ると契約自体が無効になる』という誤り(正しくは更新がない旨の定めのみが無効)も混同されやすい。
★ 覚え方:「契約書も書面、説明も書面」で書面が2つ必要と覚える。契約書だけ整えても説明書を渡さなければアウトというイメージを持つとよい。
- 正しいルール
- 定期建物賃貸借では契約書面の作成に加え、貸主は契約前に更新がない旨を記載した書面を交付して説明しなければならず、これを怠ると更新がない旨の定めは無効となる。
- 根拠条文
- 借地借家法38条1項、借地借家法38条2項、借地借家法38条3項
借地借家法38条の条文を見るe-Gov法令API取得
(定期建物賃貸借)
期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第30条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項の規定を適用しない。
2 前項の規定による建物の賃貸借の契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その契約は、書面によってされたものとみなして、同項の規定を適用する。
3 第1項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
4 建物の賃貸人は、前項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、建物の賃借人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。)(…)により提供することができる。この場合において、当該建物の賃貸人は、当該書面を交付したものとみなす。
5 建物の賃貸人が第3項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。
6 第1項の規定による建物の賃貸借において、期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)(…)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から6月を経過した後は、この限りでない。
7 第1項の規定による居住の用に供する建物の賃貸借(床面積(建物の一部分を賃貸借の目的とする場合にあっては、当該一部分の床面積)が200平方メートル未満の建物に係るものに限る。)(…)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から1月を経過することによって終了する。
8 前2項の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。
9 第32条の規定は、第1項の規定による建物の賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、適用しない。
令和8年(2026年)4月1日施行の法令を参考にしています。