論点宅建業法 - クーリング・オフ(買主が事務所等で買受けの申込みをし、事務所等以外の場所で契約を締結した場合の適用除外)
⚠ ひっかけパターン:原則・例外の逆転/看過
- 1
買主B→宅建業者A(売主)
Aの事務所で買受けの申込み
- 2
宅建業者A(売主)→買主B
Bの自宅で売買契約を締結
- 3
申込みが事務所等で行われたため、クーリング・オフの対象外
- ① どこが間違いか
- 申込みを事務所等で行い、契約のみを事務所等以外で締結した買主は、クーリング・オフの対象から除かれる点を看過している。
- ② なぜ間違いか
- 正しくは、Bは事務所等で買受けの申込みをしているため、契約の締結場所が自宅であってもクーリング・オフによる解除はできない。宅地建物取引業法37条の2第1項のかっこ書は「事務所等において買受けの申込みをし、事務所等以外の場所において売買契約を締結した買主を除く」と定めている。したがって、対象となるか否かは契約締結場所だけでなく申込みの場所で判断される。
- ③ 正しい記述
- Bは、事務所等で買受けの申込みをしており、事務所等以外の場所で契約を締結しても、クーリング・オフにより売買契約を解除することはできない。
- ④ なぜこのルールがあるのか
- クーリング・オフは、不意打ち的な勧誘など、冷静に判断しにくい場所で申込みをした買主を保護する制度です。事務所等で申込みをした買主は、この制度の対象から除外されると規定されています。
申込み場所と契約場所によるクーリング・オフの可否
| 申込み場所 | 契約場所 | 可否 |
| 事務所等 | 事務所等以外 | 不可 |
| 事務所等以外 | 事務所等 | 可(要件次第) |
| 事務所等以外 | 事務所等以外 | 可(要件次第) |
🎯 試験での問われ方
「契約を締結した場所が事務所等以外であれば」と契約締結場所だけで結論づける肢が出やすい。申込み場所と契約場所が異なる事例では、まず申込み場所を確認すること。
★ 覚え方:クーリング・オフが使えるかどうかは「申込みの場所」で判断する、と覚える。事務所等で申し込んだ時点で対象外になる。
- 正しいルール
- 事務所等で買受けの申込みをした買主は、事務所等以外の場所で売買契約を締結しても、クーリング・オフによる契約の解除をすることができない
- 根拠条文
- 宅地建物取引業法37条の2第1項
宅地建物取引業法37条の2の条文を見るe-Gov法令API取得
(事務所等以外の場所においてした買受けの申込みの撤回等)
宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約について、当該宅地建物取引業者の事務所その他国土交通省令・内閣府令で定める場所(以下この条において「事務所等」という。)(…)以外の場所において、当該宅地又は建物の買受けの申込みをした者又は売買契約を締結した買主(事務所等において買受けの申込みをし、事務所等以外の場所において売買契約を締結した買主を除く。)(…)は、次に掲げる場合を除き、書面により、当該買受けの申込みの撤回又は当該売買契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)(…)を行うことができる。この場合において、宅地建物取引業者は、申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
一 買受けの申込みをした者又は買主(以下この条において「申込者等」という。)(…)が、国土交通省令・内閣府令の定めるところにより、申込みの撤回等を行うことができる旨及びその申込みの撤回等を行う場合の方法について告げられた場合において、その告げられた日から起算して8日を経過したとき。
二 申込者等が、当該宅地又は建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部を支払つたとき。
2 申込みの撤回等は、申込者等が前項前段の書面を発した時に、その効力を生ずる。
3 申込みの撤回等が行われた場合においては、宅地建物取引業者は、申込者等に対し、速やかに、買受けの申込み又は売買契約の締結に際し受領した手付金その他の金銭を返還しなければならない。
4 前3項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。
令和9年(2027年)4月1日施行の法令を参考にしています。