論点宅建業法 - 保証協会(弁済業務保証金の還付を受ける権利者の範囲:宅建業者は除かれる)
⚠ ひっかけパターン:類似制度・条文の混同
- ① どこが間違いか
- 還付を受ける権利者から宅地建物取引業者に該当する者が除かれている点を看過しており、業者Bは権利者に含まれない。
- ② なぜ間違いか
- 正しくは、宅地建物取引業者に該当する者は弁済業務保証金の還付を受ける権利を有しない。宅地建物取引業法64条の8第1項は、権利者から「宅地建物取引業者に該当する者」を明文で除いている。認証を受けること、営業保証金相当額の範囲内であることは正しいが、権利者の範囲が誤りである。営業保証金の還付には同様の除外規定がないため、この点を混同させる肢である。
- ③ 正しい記述
- 保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者(宅地建物取引業者を除く)は、その取引により生じた債権に関し、保証協会の認証を受けたうえで、社員が保証協会に加入していなかったとしたら供託すべき営業保証金の額に相当する額の範囲内で、弁済業務保証金から弁済を受ける権利を有する。
- ④ なぜこのルールがあるのか
- 宅建業者は取引の専門家であり、自ら相手方の信用を調べて身を守れるはずです。そのため、一般消費者の保護を目的とする弁済業務保証金の還付対象からは外されています。
還付を受けられる者の範囲
| 項目 | 営業保証金 | 弁済業務保証金 |
| 権利者 | 業者との取引の相手方(業者を除外する規定なし) | 社員との取引の相手方(業者を除く) |
| 手続 | 供託所に直接請求 | 協会の認証を受けて請求 |
| 限度額 | 供託している営業保証金の額 | 社員が加入していなかったら供託すべき営業保証金の額 |
🎯 試験での問われ方
「宅地建物取引業者も、認証を受ければ還付を受けられる」「営業保証金と同様に業者も対象」といった、営業保証金との混同を誘う文型に注意する。
★ 覚え方:弁済業務保証金は「素人(消費者)を守る基金」と覚え、プロである宅建業者は還付対象外と考える。
- 正しいルール
- 保証協会の社員と宅建業に関し取引をした者は弁済業務保証金から還付を受けられるが、宅地建物取引業者に該当する者は除かれる
- 根拠条文
- 宅地建物取引業法64条の8第1項
宅地建物取引業法64条の8の条文を見るe-Gov法令API取得
(弁済業務保証金の還付等)
宅地建物取引業保証協会の社員と宅地建物取引業に関し取引をした者(社員とその者が社員となる前に宅地建物取引業に関し取引をした者を含み、宅地建物取引業者に該当する者を除く。)(…)は、その取引により生じた債権に関し、当該社員が社員でないとしたならばその者が供託すべき第25条第2項の政令で定める営業保証金の額に相当する額の範囲内(当該社員について、既に次項の規定により認証した額があるときはその額を控除し、第64条の10第2項の規定により納付を受けた還付充当金があるときはその額を加えた額の範囲内)(…)において、当該宅地建物取引業保証協会が供託した弁済業務保証金について、当該宅地建物取引業保証協会について国土交通大臣の指定する弁済業務開始日以後、弁済を受ける権利を有する。
2 前項の権利を有する者がその権利を実行しようとするときは、同項の規定により弁済を受けることができる額について当該宅地建物取引業保証協会の認証を受けなければならない。
3 宅地建物取引業保証協会は、第1項の権利の実行があつた場合においては、法務省令・国土交通省令で定める日から2週間以内に、その権利の実行により還付された弁済業務保証金の額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければならない。
4 前条第3項の規定は、前項の規定により供託する場合に準用する。
5 第1項の権利の実行に関し必要な事項は法務省令・国土交通省令で、第2項の認証に関し必要な事項は国土交通省令で定める。
令和9年(2027年)4月1日施行の法令を参考にしています。