宅建試験の建築基準法で問われる「採光規定」。「居室には床面積の1/7以上の採光に有効な開口部が必要」という基本ルールは覚えていても、「採光に有効な面積」がどう計算されるかまで説明できる受験生は多くありません。実は、窓の面積をそのまま使うのではなく、「採光補正係数」という係数を掛けて計算します。
このページでは、窓と隣地境界線の距離、窓がある階をスライダーやボタンで動かせる3Dモデルと音声解説で、採光補正係数のしくみを立体的に理解できるようにしました。すべてスマホ対応・無料で、アプリのインストールも不要です。
※このページは「3Dでわかる法令上の制限」シリーズの1テーマです。他のテーマはまとめページから確認できます。
採光規定とは?まず結論から
建築基準法28条は、住宅の居室などに「有効採光面積」が床面積の一定割合(住宅の居室は原則1/7)以上となる開口部(窓)を設けることを義務づけています。ポイントは、「窓の面積」=「有効採光面積」ではないということです。
有効採光面積 = 窓の面積 × 採光補正係数
採光補正係数は、窓から隣地境界線までの水平距離Dと、窓の中心から隣接する建築物の軒などまでの垂直距離Hの比(D/H)を使って計算します。住居系地域では「(D/H)×6-1.4」(上限3.0、マイナスになる場合は0)という式です(商業系は×10-1、工業系は×8-1で、係数の式が異なります)。
【3Dモデル】距離と階で採光補正係数がどう変わるか
下のモデルは、4階建て(軒高12m)の隣接建築物が境界線のすぐ外側に建っている想定です。境界線までの距離Dのスライダーと、窓がある階(1〜3階)のボタンを動かすと、水平距離D・垂直距離H・採光補正係数・有効採光面積がすべて連動して変化します。
「▶ 音声つきで解説を聞く」を押すと、境界線に近づくほど係数が小さくなる様子と、同じ距離でも上の階のほうが係数が大きくなる様子を確認できます。低層階は隣接建物の軒を見上げる角度が急になるため採光上不利になりやすく、上の階になるほど軒を見下ろす角度に近づき有利になる、という関係を押さえておきましょう。
試験ではこう出る!頻出ひっかけパターン
- 「有効採光面積は、窓の面積そのもの」→誤り。有効採光面積は窓の面積 × 採光補正係数で計算する。係数によっては窓面積より小さくなる(場合によってはゼロになる)
- 「採光補正係数の計算式は、用途地域にかかわらず同じ」→誤り。住居系は(D/H)×6-1.4だが、商業系は×10-1、工業系は×8-1と、用途地域によって式が異なる
- 「採光補正係数がマイナスになった場合は、そのままマイナスの値として計算する」→誤り。マイナスになる場合は0として扱う(有効採光面積もゼロになる)
- 「採光補正係数に上限はない」→誤り。採光補正係数の上限は3.0。どれだけDが大きくHが小さくても、3.0を超えて計算されることはない
Q. 必要な採光面積の割合(1/7)は、どんな居室にも当てはまりますか?
この記事で扱った1/7は住宅の居住のための居室を想定した基本的な数値です。学校の教室・保育所の保育室など、用途によって必要な割合は異なり、一定の条件(照明設備の設置など)を満たすことで緩和される規定も存在します。試験では、まず基本の考え方(窓の面積×係数で判定する)を押さえることが優先です。
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