宅建試験の民法で頻出の「地役権」。契約で発生する点は理解できても、法律上当然に発生する「囲繞地通行権」と混同してしまう受験生が多い分野です。
このページでは、指で回転・拡大できる3Dモデルと音声解説を使って、地役権の要役地・承役地の関係と、囲繞地通行権との違いを立体的に理解できるようにしました。すべてスマホ対応・無料で、アプリのインストールも不要です。
※このページは「3Dでわかる権利関係」シリーズの1テーマです。他のテーマ(相隣関係・囲繞地通行権など)はまとめページから確認できます。
地役権のしくみ(要役地・承役地・囲繞地通行権との比較)
地役権と囲繞地通行権は、どちらも「他人の土地を通行できる」という点で似ていますが、権利の発生根拠がまったく異なります。地役権は契約によって設定する権利、囲繞地通行権は土地が袋地である以上法律上当然に発生する権利です。以下の3Dモデルで、左側の地役権と右側の囲繞地通行権を見比べながら、この違いを確認してください。
地役権は契約によって設定する(民法280条)
地役権とは、設定行為(契約)で定めた目的にしたがって、他人の土地(承役地)を、自分の土地(要役地)の便益のために利用できる権利です。通行のほか、引水・眺望の確保などさまざまな目的で設定できます。3Dモデルの左側、奥にある緑色の土地が要役地、手前で道路に面した青灰色の土地が承役地です。要役地は道路に面していないため、道路に面した承役地に通路(通行地役権)を設定し、そこを通って公道に出ます。金色の帯が、この契約で定めた通路を表しています。
要役地と承役地はセットで移転する(随伴性)
地役権は、要役地の所有権に従たる権利として扱われます(随伴性)。そのため、要役地の所有権が譲渡されると、原則として地役権も一緒に移転します。また、承役地の所有権の一部だけを目的にすることはできず、要役地の一部のためにも設定できます。
地役権は登記すれば第三者に対抗できる
地役権は物権の一種であるため、登記をすれば、承役地が第三者に譲渡された場合でもその第三者に地役権を対抗できます。逆に登記をしていないと、承役地の新しい所有者に地役権を主張できないおそれがあります(対抗要件としての登記)。
囲繞地通行権との違い(試験で最頻出の比較ポイント)
これに対して囲繞地通行権は、公道に通じない袋地の所有者に、法律上当然に認められる権利です(民法210条)。契約は不要で、登記がなくても当然に主張できます。3Dモデルの右側、茶色の土地が袋地、それを囲む青灰色の土地が囲繞地です。金色の帯が通行できる範囲を表しています。地役権が「契約によって任意に設定する権利」であるのに対し、囲繞地通行権は「袋地である以上、法律上当然に発生する権利」である点が最大の違いです。
試験に出る頻出ひっかけ
- 地役権と囲繞地通行権の混同 — 地役権は契約で設定、囲繞地通行権は法律上当然に発生。「通行できる」という結論だけを見て同じ権利だと誤解しないよう注意
- 地役権の登記の要否 — 地役権の成立自体に登記は不要だが、承役地の譲受人などの第三者に対抗するには登記が必要
- 随伴性 — 要役地の所有権が移転すると、特約がない限り地役権も一緒に移転する。要役地と地役権を切り離して考えない
- 囲繞地通行権は無償が原則ではない — 通常のケースでは償金の支払いが必要(分割によって袋地が生じた場合のみ残余地について無償、という囲繞地通行権側の特則と混同しないこと)
Q. 地役権は口約束だけで成立しますか
地役権の設定に書面は必須ではなく、当事者の合意(契約)があれば成立します。ただし、第三者に対抗するためには登記が必要です。
Q. 承役地の所有者が変わったら地役権はどうなりますか
地役権が登記されていれば、承役地の新しい所有者にも地役権を対抗でき、通行などを継続できます。登記がない場合は対抗できないおそれがあります。
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