宅建試験の建築基準法で、計算問題として頻出の「按分計算」。1つの敷地が2つの用途地域にまたがる場合、建蔽率や容積率はどう計算するのでしょうか。実はここに、多くの受験生が引っかかる重要な例外が隠れています。
このページでは、敷地の中の境界線をスライダーで動かせる3Dモデルと音声解説で、按分計算のしくみと、その落とし穴を立体的に理解できるようにしました。建蔽率・容積率の基本を先に確認しておくと、より理解しやすくなります。すべてスマホ対応・無料で、アプリのインストールも不要です。
※このページは「3Dでわかる法令上の制限」シリーズの1テーマです。他のテーマはまとめページから確認できます。
按分計算とは?まず結論から
1つの敷地が、指定建蔽率・指定容積率の異なる2つ以上の用途地域にまたがっている場合、その敷地全体の建蔽率・容積率は、それぞれの地域にかかる敷地面積の割合で加重平均して求めます。これを一般に「按分計算」と呼びます。
計算式はシンプルです。
敷地全体の容積率 = (A地域の面積 × A地域の容積率 + B地域の面積 × B地域の容積率) ÷ 敷地全体の面積
建蔽率も同じ考え方で計算します。試験では、この計算式を使って敷地全体の建築面積・延べ面積の上限を求める問題がよく出題されます。
【3Dモデル】境界線の位置で按分結果がどう変わるか
下のモデルは、容積率200%・建蔽率50%のA地域と、容積率400%・建蔽率80%のB地域にまたがる敷地の例です。境界線の位置をスライダーで動かすと、A地域とB地域の面積比が変わり、加重平均の建蔽率・容積率、建てられる建物の大きさが連動して変化します。
【重要】高さ制限は按分されない!
ここが試験の最大のひっかけポイントです。建蔽率・容積率が面積で按分される(平均される)のに対して、絶対高さ制限・道路斜線・北側斜線・隣地斜線・日影規制などの「高さ・形状」に関する制限は、按分されません。敷地や建物のうち、それぞれの地域にかかる部分には、その地域の高さ制限がそのまま適用されます。
上のモデルで「高さ制限もまたぐ場合を見る」ボタンを押すと、A地域側の部分だけ高さ10mで頭打ちになり、B地域側だけがそのまま上まで伸びる、階段状の建物になる様子を確認できます。「建蔽率・容積率は面積按分」「高さ制限は部分ごとにそのまま適用」、この違いをセットで覚えておきましょう。
試験ではこう出る!頻出ひっかけパターン
- 「2つの用途地域にまたがる敷地では、高さ制限も面積按分で平均する」→誤り。按分(加重平均)されるのは建蔽率・容積率のみ。高さ制限は各部分にそのまま適用される
- 「按分計算は、敷地の中心がどちらの地域にあるかで、全部その地域のルールが適用される」→誤り。敷地の中心がどちらにあるかではなく、それぞれの地域にかかる面積の割合で計算する
- 「防火地域とそれ以外の地域にまたがる場合も、面積按分で判定する」→誤り になりうる。防火地域・準防火地域にまたがる建築物は、原則として敷地全体に、より厳しい方(防火地域)の規制がかかる(建蔽率の按分計算とは扱いが異なる論点なので注意)
Q. 3つ以上の地域にまたがる場合はどう計算しますか?
考え方は同じです。各地域の面積 × その地域の容積率(または建蔽率)を地域の数だけすべて合計し、敷地全体の面積で割ることで、加重平均を求めます。
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