「角地は有利」という話を聞いたことがあっても、具体的に何が・どれだけ有利になるのかを説明できる受験生は意外と少ないものです。角地の緩和は、実は建蔽率の緩和と容積率の計算上の有利さという2つの別々のルールが組み合わさっています。
このページでは、普通の敷地と角地を並べて比較できる3Dモデルと音声解説で、角地緩和と二方向道路の容積率計算のしくみを立体的に理解できるようにしました。建蔽率・容積率の基本を先に確認しておくと、より理解しやすくなります。すべてスマホ対応・無料で、アプリのインストールも不要です。
※このページは「3Dで分かる建築基準法」シリーズの1テーマです。他のテーマはまとめページから確認できます。
角地緩和・二方向道路とは?まず結論から
角地には、次の2つの異なるルールが有利にはたらきます。
- ①角地緩和(建蔽率):特定行政庁が指定する角地などの敷地は、建蔽率の上限に10%が加算されます(建築基準法53条3項2号)。防火地域内の耐火建築物等の緩和(+10%)と両方満たせば、合計+20%になります。
- ②二方向道路の扱い(容積率):敷地が2つ以上の道路に接する場合、容積率の計算に使う「前面道路の幅員」は、幅員が最大のものを採用します(建築基準法施行令2条)。狭い方の道路ではなく、広い方の道路で計算できるため、結果的に容積率の上限が上がりやすくなります。
この2つはまったく別のルールであり、「角地だから容積率も自動的に緩和される」わけではない点に注意してください。角地緩和が効くのはあくまで建蔽率で、容積率が有利になるのは道路幅員の選び方によるものです。
【3Dモデル】普通の敷地と角地を並べて比較する
下のモデルは、同じ広さ(225㎡・15m×15m)の敷地を、南側の道路(幅員4m)にしか接しない「普通の敷地」と、南側4m+東側8mの2つの道路に接する「角地」で比較したものです。指定容積率はどちらも300%で共通です。
「▶ 音声つきで比較を見る」を押すと、普通の敷地→角地の順に切り替わります。角地は建蔽率が60%→70%に、容積率の計算に使う道路幅員が4m→8mに変わることで、容積率の上限が160%→300%まで引き上がり、建物の1階の広さも階数も大きくなることが確認できます。
試験ではこう出る!頻出ひっかけパターン
- 「角地であれば、自動的に容積率も緩和される」→誤り。角地緩和が適用されるのは建蔽率のみ。容積率が有利になるのは、二方向道路のうち幅員の広い方を採用できるという別のルールによるもの
- 「角地緩和は、どんな角地でも自動的に適用される」→誤り。角地緩和が適用されるのは、特定行政庁が指定する角地など、一定の条件を満たす敷地に限られる
- 「2つの道路に接する場合、容積率の計算には狭い方の道路の幅員を使う」→誤り。採用するのは幅員が最大の道路。狭い方を基準にするわけではない
- 「角地緩和と防火地域内の耐火建築物等の緩和は、同時に適用されない」→誤り。両方の条件を満たせば、建蔽率は合計+20%まで緩和される(両方+10%ずつ)
Q. 建蔽率が100%を超えることはありますか?
角地緩和や防火地域の緩和を足し合わせても、建蔽率の上限が100%になる(建蔽率の制限がなくなる)敷地が例外的に存在します(例:指定建蔽率80%の地域で、かつ防火地域内の耐火建築物等)。ただし、これは限定的なケースで、通常はここで扱った+10%・+20%の緩和が基本です。
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