宅建試験の民法で頻出の「囲繞地通行権(いにょうちつうこうけん)」。公道に面していない袋地からどこをどう通行できるのか、償金は必要なのか、条文の文章だけでは位置関係がイメージしづらい分野です。
このページでは、指で回転・拡大できる3Dモデルと音声解説を使って、袋地と周囲の土地・公道の位置関係を立体的に理解できるようにしました。すべてスマホ対応・無料で、アプリのインストールも不要です。
※このページは「3Dでわかる権利関係」シリーズの1テーマです。他のテーマ(相隣関係・区分所有法など)はまとめページから確認できます。
囲繞地通行権のしくみ(袋地・償金・分割時の特則)
他人の土地に囲まれて公道に通じない土地を袋地といいます。袋地の所有者は、公道に出るために、周囲の土地(囲繞地)を通行できます。これが囲繞地通行権です。ただし、どこでも自由に通行できるわけではなく、通行の場所・方法や、償金の要否には明確なルールがあります。また、土地の分割によって袋地が生じた場合には、通常のケースとは異なる特別なルールが適用されます。以下の3Dモデルで、通常のケースと分割で生じたケースを切り替えながら、その違いを指で回転させて確認してください。
通常のケース:他人の土地に囲まれた袋地(民法210条・211条)
公道に通じない土地の所有者は、公道に出るために、その土地を囲んでいる他人の土地を通行できます。通行できる場所や方法は、通行権を持つ者のために必要であり、かつ、囲繞地のために損害が最も少ないものを選ばなければなりません。そして、この通行によって囲繞地に生じた損害に対しては、償金を支払う義務があります。3Dモデルの金色の帯が、この通行できる範囲を表しています。
分割によって袋地が生じた場合の特則(民法213条)
1つの土地が分割されたことによって、公道に通じない袋地が生じることがあります(土地の一部を譲渡した場合も同様です)。この場合、袋地の所有者が通行できるのは、分割によってできた他の土地(残余地)のみです。第三者の土地を通行することはできません。その代わり、このケースでは償金を支払う必要はありません。もともと同じ1つの土地だったことに配慮した特則です。3Dモデルの「分割で生じたケース」を選ぶと、1つの土地が残余地と袋地に分かれ、残余地の中だけに通行できる範囲(無償)が示される様子をアニメーションで確認できます。
試験に出る頻出ひっかけ
- 償金の要否を逆に覚える — 通常のケースは償金が必要、分割で袋地が生じたケースは残余地のみを無償で通行できる。この対応を逆に覚える誤りが頻出
- 分割ケースで第三者の土地を通行できると誤解する — 分割によって袋地が生じた場合、通行できるのは残余地のみ。分割に関与していない第三者の土地は通行できない
- 通行の場所・方法を自由に選べると誤解する — 通常のケースでも、通行権者のために必要で、かつ囲繞地の損害が最も少ない場所・方法を選ばなければならず、自由に決められるわけではない
- 「分割」には土地の一部譲渡も含まれる — 213条の特則は、土地の分割だけでなく、土地の一部を譲渡したことで袋地が生じた場合にも準用される
Q. 囲繞地通行権は登記しないと主張できませんか
囲繞地通行権は、袋地であるという事実があれば法律上当然に発生する権利であり、登記は不要です。この点で、契約によって設定し登記が対抗要件となる地役権とは性質が異なります。
Q. 分割によって袋地が生じた場合、償金はまったく発生しませんか
通行できる範囲についての償金は発生しません。ただし、通路を開設するための工事費用など、通行そのものとは別の実費については、別途の負担が問題となり得ます。試験対策としては「通行のための償金=不要」という原則をまず押さえてください。
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