【判例】二重に譲渡された指名債権の債務者が対抗要件を後れて具備した譲受人に対してした弁済について過失がないというための要件(最高裁 昭和61年4月11日)

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事件名: 運送代金

二重に譲渡された指名債権の債務者が対抗要件を後れて具備した譲受人に対してした弁済について過失がないというための要件

判示事項

 一 上告審における被告の破産と破産債権確定訴訟への訴えの変更
二 指名債権が二重に譲渡された場合に対抗要件を後れて具備した譲受人に対してされた弁済と民法四七八条の適用
三 二重に譲渡された指名債権の債務者が対抗要件を後れて具備した譲受人に対してした弁済について過失がないというための要件

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裁判要旨

 一 給付訴訟の上告審係属中に被告が破産宣告を受け破産管財人が訴訟手続を受継した場合には、原告は、上告審において、右給付の訴えを破産債権確定の訴えに変更することができる。
二 指名債権が二重に譲渡された場合に、民法四六七条二項所定の対抗要件を後れて具備した譲受人に対してされた弁済についても、同法四七八条の適用がある。
三 二重に譲渡された指名債権の債務者が民法四六七条二項所定の対抗要件を後れて具備した譲受人を真の債権者であると信じてした弁済について過失がないというためには、対抗要件を先に具備した譲受人の債権譲受又は対抗要件に瑕疵があるためその効力を生じないと誤信してもやむを得ない事情があるなど対抗要件を後れて具備した譲受人を真の債権者であると信ずるにつき相当な理由があることを要する。

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関連条文

(債権の譲渡の対抗要件)

第四百六十七条 債権の譲渡(現に発生していない債権の譲渡を含む。)は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。

 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。

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(受領権者としての外観を有する者に対する弁済)

第四百七十八条 受領権者(債権者及び法令の規定又は当事者の意思表示によって弁済を受領する権限を付与された第三者をいう。以下同じ。)以外の者であって取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有するものに対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。

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