PR

民法(債権証書の返還請求)第487条

この記事は約16分で読めます。

(債権証書の返還請求)
第487条 債権に関する証書がある場合において、弁済をした者が全部の弁済をしたときは、その証書の返還を請求することができる。

令和6年5月24日 施行
https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089/20240524_506AC0000000033


弁済と債権証書の返還は同時履行の関係ではない(通説)


↓AIによる解説(内容は間違いがある可能性があります)Claude sonnet4.6作成

民法 第487条【債権証書の返還請求】 宅建 行政書士 司法書士

条文

債権に関する証書がある場合において、弁済をした者が全部の弁済をしたときは、その証書の返還を請求することができる。

(民法第487条 / 民法改正平成29年・令和2年施行後も内容は維持)

解説
📄 債権証書とは?

債権の成立を証明する文書のことです。特別な形式は不要で、借用証書・金銭消費貸借契約書などが典型例です。弁済を証明する「受取証書(領収書)」とは区別されます。

✅ 返還請求の要件:「全部の弁済」が必要

一部弁済だけでは債権証書の返還を請求できません。債権が全額消滅して初めて返還請求権が生じます。
ただし一部弁済の場合は、証書に一部弁済の旨の記載を請求できると解されています。

⚠️ 試験最頻出! 同時履行の関係に立たない

債権証書の返還請求権と弁済義務は同時履行の関係ではありません。弁済(債務の履行)が先履行です。
→ 債権者が証書を紛失しても、債務者はそれを理由に弁済を拒絶できません。
→ 受取証書(486条)とは正反対の扱いになる点に注意。

486条(受取証書)との比較
比較項目 受取証書の交付(486条) 債権証書の返還(487条)
書面の性質 弁済を証明する書面(領収書等) 債権の成立を証明する書面(借用証書等)
一部弁済での請求 不可(全部弁済が必要)
弁済との同時履行 あり(同時履行) なし(弁済が先履行)
請求できる者 弁済をした者 弁済をした者
重要判例
⚖ 大判昭和9年2月26日(試験頻出)

事案の要旨:一部弁済の場合、弁済金額の不足が「僅少(わずか)」であるにもかかわらず、債権者が債権証書の返還を拒絶した。

判旨:弁済金額の不足が僅少(ごくわずか)であるときは、債権者が債権証書の引渡しを拒絶することは信義則(民法1条2項)に反するとして許されない。

試験ポイント:原則として「全部弁済」が必要だが、わずかな不足の場合には信義則の例外として返還請求が認められうる点が問われます。

※本判決は大審院時代の判決のため、裁判所(courts.go.jp)の判例検索システムには収録されていません。

試験別 出題ポイント
🏠 宅建試験

宅建では金銭消費貸借・売買代金の弁済場面での出題が中心。「受取証書(486条)と債権証書(487条)の同時履行の有無」の違いが選択肢に使われます。

📋 行政書士試験

弁済の効果・要件をまとめて問う問題で登場します。487条は他の弁済関連条文(486条・490条等)と組み合わせた択一問題に注意。

⚖ 司法書士試験

令和5年司法試験短答(第23問 オ)でも出題実績あり。「債権証書の返還義務と弁済は同時履行の関係にある」という誤り肢の識別が問われました。複数の弁済関連条文を横断的に理解する必要があります。

Q確認クイズ
【問1】 AがBに対して100万円の借用証書(債権証書)を作成して貸し付けた。BがAに対して90万円のみ弁済した場合、Bは借用証書の返還を請求できるか。
【問2】 Bが全額100万円をAに弁済したが、Aが借用証書を紛失してしまった。この場合、BはAが証書を返還するまで弁済を拒絶できるか。
【問3】 大判昭和9年2月26日の判旨として正しいものはどれか。
タイトルとURLをコピーしました